春の嵐、終わる頃
ひとりでいると思ってた。
愛はもう振り向いてくれないんだと泣いていた。
見えているこの世界の中の自分は、あの日と同じ理由で嘆いていて、情けない自分を慰める涙はこぼれるままでいた。
そんな日に手紙が届いた。
それは、いつか出会った小さな小さな白色の花が、わたしを想い、寄り添い、祝福の言葉を書き綴った柔らかい愛の香りがする手紙。
忘れていた優しいことばで溢れた文字には、愛が写っていた。
時々見えなくなるこの気持ちは、いつも誰かが見せてくれていた。
それさえも忘れて土砂降りの中ひとりで探していても気づけない。その為の雨ではないのだと。
柔らかい気流に乗ればわたしは本当の場所に帰れた。やさしさを持って、あなたに贈る花を選んで、わたしはあなたに会いに行く。
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