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空も飛べるはず



『たのしみ』と『こわい』
は割とセットなのかもしれない

半年ぶりの飛行機の離陸中、
わたしはそんなことを考えていた。

そして、どうかこの飛行機に乗っている人達と
無事に着陸しますように。

そう心の中で祈っていたら
イヤホンからはスピッツの
「空も飛べるはず」が流れ始めた。

そうか…よし、きっと大丈夫……!

そんな些細なメッセージにすがるほどには
旅に向かう飛行機というものはわたしにとって
たのしみ、であり、こわい、ものなのだ。


高いところとジェットコースターは苦手。
あのヒュんってなるのが怖くて。。
生きながら死をよぎるようなあの感覚がほんとにきらいだ。

だけれど、そんな恐怖を自らすすんで体験するのが好き!たのしい!なんていう人がいるもんだから
あれ?もしかしたら本当は楽しいのかも…?
なんて魔が差して、あの感覚を忘れた頃に自らジェットコースターに乗ってみたこともあるけれど、あ、やっぱり無理だ、と苦手なことを再確認するだけなんてこともあった。


そう、そんなヒュんってなるあの苦手な感覚は
飛行機でもたまに起きる。

さらにその恐怖に加えて、それが上空であるということと、操縦権を自分では握ることができない、という逃げ場のないどうしようもない環境ということも相まってこわいのだ。


そんな状況でわたしに出来ることなんて
操縦している機長さんに身を委ね、心の中で声援を送り乗客全員の無事を祈るくらいしかない。

正真正銘、祈ることしかできないのだ。


そう、例えるならば
それはまるで、日々この日の為に練習をしてきた選手たちと、傍で励ましてきた厳しくも優しい監督…

その姿をただただ見守ってきた家族や友人…

そして何万人という観客も共に一致団結し
皆が勝利を祈り優勝(=着陸)を目指すような甲子園のようなのではないかと……!


大げさにきこえるだろうか。
いや、甲子園と同じにするなよ、意味わからん
という声も聞こえてきそうだけども(笑)

ただ祈るしかできない飛行中の乗客(わたし)というものは割とそんな観客に近いんじゃないかななんてことを思いまして。


そんな熱い闘い(?)が繰り広げている飛行機だけれど
まあ、なによりもこれは空の旅なのだ。

小さめの窓からは
天気なんて関係のない美しい青色が見える。

白い雲は絵画のようで、わたしは空を飛んでいる。

行きたい場所に向かっている旅の途中なのだ。
辿り着いた場所でどんな景色をみて、何を感じ、どんなことを思うのだろうか、たのしみで仕方がない。


たのしみ、と、こわい。
それはコインの裏表のようにくっついていて
どちらもいつだって表側にすることができるような、おもしろくて、とても大切な感情なのかもしれない。

これから何かこわいと感じたときは、たのしみ、がどこかに隠れていないか探してみようと思う。



シートベルトの着用サインが付いた
いよいよ空の旅が終わろうとしている。

これは、空の上で久しぶりの飛行機でわくわくしているきもちと、すこし手に汗をにぎりながらスマホのメモ機能に綴り終えた文章である。

わたしは最後まで全員の優勝を祈ろうとおもう…!



どうかきょうも素敵な1日になりますように🍃
Sena.

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