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冬キャンプは最高だと言う噂が本当だったお話。

私はキャンプ歴2年目のひよっこキャンパー。

そんな私には心から尊敬するキャンプの師匠がいる。

師匠の名はケイさん。
年間50泊を10年以上続ける超ベテランキャンパーである。

「キャンプが一番楽しいのは冬だよ。」

ケイさんと出会って間もなかった頃、ベテランキャパーのこのセリフに私はど肝を抜かれた。

当時の私にとって、「キャンプとは春から秋にかけて、しかも天候の良い日に楽しむものだ」と思っていたからだ。

なぜに冬こそキャンプが楽しいのか理由を聞くと、次のような答えが返って来た。

1:人が少ない
2:虫がいない
3:汗をかかない
4:寒い中で暖かいテントで過ごす時間は最高

今は空前のキャンプブーム!!
温かい時期は、どこのキャンプ場も人が多く予約が取りにくい。

さらに夏となると、蚊や羽アリが発生する。時にはスズメバチもいるから気が抜けない。しかもテントの設営や撤収は、常に汗だくでベタベタ。

どんなに景色がよかろうが、夜が涼しかろうが、汗をかいた体では気持ち悪くてよく眠れない。

その点、冬は人も虫もいない。キャンプ場は予約が取りやすい上にとっても静か。
汗もかかないし、暖かくしてれば眠れないと言うこともなさそうだ。

とはいえ、それなりに寒さに対する装備がないと、冬キャンプは命の危険がある。ましてや、我が家には8歳と4歳のチビがいる。彼等の安全をしっかり確保しなければならない。

それでも私は、師匠・ケイさんが最高だと言う「冬のキャンプ」を体験したくなり、次の装備を徐々に買い足した。

1:フジカハイペットのストーブ
2:DODのエアマット
3:ポータブル電源
4:電気毛布(電磁波カットするタイプ)

そして今年の冬、ついに本格的な冬キャンプを師匠と共に体験することができた。(もちろん子連れで)

それも天候は「雪」。

ロケーションは海の目の前で、強風注意報まで出ている悪天候の日だった。

雪が降る中、私と夫はツールームテント(Ogawa アポロン)を張り、買い込んだ装備をしっかりとセット。
汗はかかないけど、頭の上に雪がつもり、髪が濡れている状態。風邪を引きそうな勢いでスタートだ。

冬キャンプって厳しい・・・!?最高って本当ですか??

そんな思いで隣に設営された師匠のテントに遊びに行ったら、まさかの薪ストーブが設置されていた。

「うわ〜!!暖かい〜!!」

薪ストーブの上では玉ねぎのスープがコトコトと煮えており、牡蠣の酒蒸しまで準備してあった。

私はその瞬間に思った。

「冬キャンプって最高やん!」

暖かいテントの中で美味しいご飯を食べ、外に出て見たら雲一つない綺麗な星空が広がっている。

寒さに耐えながらじっと空を眺めていると、スーッと流れ星が消えて行った。

もともと寒いのが大嫌いな私なのだが、こんなにも素敵な冬キャンプの醍醐味を経験してすっかり感動してしまった。

そして、その夜はしっかり着込んで、寝袋の中に潜り込んだ。

風が強く、テントがバダバタと揺れる。
うるさくて眠れないと思いきや、それなりに疲れているためぐっすり眠ってしまった。

そして迎えた次の日の朝。

トイレに行こうと外に出てみたら、海の向こうの山が真っ白になっていた。

私達のいたキャンプ場には運よく雪は積もらなかったが、海の向こう側の町は雪が積もっていたのだ。

さすがに寒い!!
テントの中はいいけど、外は雪と風でえらいことになっている。

吹雪の中でテントを撤収し、すっかり体が冷えてしまった。撤収の間、子供達はサッカーをして体を温めていたが、さすがに風邪を引きそうな勢いだ。

うわ〜冬キャンプって、やっぱり大変だ。経験値が爆上がりだと思った。

ようやく撤収が終わり、クタクタの師匠と私達は、すぐさまキャンプ場近くの温泉に向かった。

大人一人300円(子供は一人80円)の格安温泉に、いそいそと入り込む。
タオルもシャンプーさえもない、なんてことない温泉だが、お湯にに入った瞬間に「あ〜!!」と至福の声が思わずこぼれた。

まさにこの世の極楽。

こんなにも気持ちの良いお風呂はそうそうないと思った。

「冬のキャンプって本当に最高!めっちゃ楽しい!!」

帰り道の車の中で子供のように喜ぶ私に、夫は顔を引きつらせて言った。

「道路が凍って坂道が登れるか、俺はかなり心配だったよ。」

数日後、私がスタッドレスタイヤを購入したのは、言うまでもない。

そうまでしても、私は冬キャンプを楽しみたいと心から思った。

そんな素敵な忘れられない雪のキャンプだった。


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