85歳のばあちゃん　初の一人暮らしに挑戦

「施設を出て一人暮らしする！」

突然かかってきた電話でそう言われて
家族全員びっくりした。

いや、親戚中が驚いた。

だって、85歳。

一般的には
これから施設に入所するであろうと思われる年齢

そのばあちゃんがこれから施設に入るではなく
施設を出るというのだ！

ばあちゃんが施設を出たい理由

「毎日同じ時間にご飯を食べて、
食べたくないときもあるのに
食堂に食べにいかなきゃいけないし、
起きたい時間に起きれないし。」

「集団で生活するのに疲れた。
もう７年も施設に入ってたから
もういいでしょ。」

「コロナで消毒はうるさいし
会いたい人にも会えないし。」

「このままで死にたくない。
ひとりで気ままにいたいんだよ。」

孫は心配で仕方ない。

ばあちゃんの理由もわかる。

だがしかし。

北海道は除雪もあるし
重たい荷物を一人でもってこれるのか
認知症の心配もある・・・

今は夏で30度超えるのに
エアコンがない部屋で
年寄りが生きていけるのか？？

心配要素しかなく
とにかく感情を沈めてもらい
踏みとどまってもらおう！

そう思い、
施設を出るのを止められないか
説得を試みようとした

が。

「もう、一人で住むところも決めてきたから。
施設にはあとから自分で言うから」

ますます驚く！！

なにが？って
行動力のすごさ！！

電話は伺いの内容ではなく
報告であった（笑）

もう笑うしかない！

ドタバタ劇はここから

施設を出る手続きと
住宅の手続きを済ませ
引っ越しの手続きも自分でしていた。

しかし
オッチョコチョイのばあちゃん
心配で仕方ない。

引っ越し当日は
ばあちゃんの運の強いところで
孫が全員仕事が休みという（笑）

何の運命か知らないが
全員心配で引っ越しの手伝いに行く。

施設に行ってみれば、ばあちゃんは
パニック状態・・・
（まぁいつものことなんだけど）

引っ越しと言えば
電気の手続きやらガスの手続きやらあるが
結局一人ではできなくて
孫が手伝うことになった。

孫・親戚、総出で
部屋の掃除やら
電球の交換
日常生活品や
キッチン道具の準備などなど

とにかく一人で住めるよう
周辺環境を整えた。

簡単に書いてはいるもものの

なんとか、
ばあちゃんの新しい生活が
スタートした。

心配は多いけど、ばあちゃんはすごいのだ。

85歳で
ひとり暮らしデビュー

一般的には驚きだけど
（認知的にも心配だけど）

でも
85歳になって
そんな新しい環境に飛び込もう！と
思えるのがすごいなと感じた。

というか、
ばあちゃんは
「もうこんなところにいたくない！」

そんな気持ちが
行動を起こさせた。

前向きな気持ちよりも
もう切羽詰まっている状況だった。

よく環境を変えなさいと言われる

環境を変えるためには
勇気が必要だったりする。

勇気が出ないとき
自分をばあちゃんのように切羽詰まった状態にする
というのも
行動を起こすために必要なのだと
学んだ数日でした。

ばあちゃんの一言

「いやー、みんなに迷惑かけて
わがままなばあちゃんですまないねぇ」

ばあちゃん子の孫もさすがに

「どの口がいうんだ！」

と言いましたとさ！

コロナでいろんなことがありましたが、
自分がどう生きるかという
エネルギーをばあちゃんに与えたのでしょうか。

これをきっかけに
自分はどう生きたいのか

どういう風に死にたいのか

なんてことも考えるきっかけになりました。

アナタが85歳だったら、どう考えますか？？

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