前提を疑ってみる
「マナー研修をお願いしたいのですが...」
企業との最初の接点として研修講師として依頼を頂くのは結構多いものです。でも実際に深堀りしてみると、ニーズは別のところに。これが解決策だということを呑みにせず、その前提から疑ってみるについて綴ってまいります。
なぜそう感じたかをヒヤリングする
仕事を頂く際の最初のアプローチとしては
「笑顔が足りないからマナー研修をお願いしたい」
「自分達の変わりに研修でビシっといってほしい」
「モチベーションが下がりぎみなので上げてほしい」...
など、かなりざっくりとした依頼は多いものです。それに対していつも「魔法の粉を一振りして解決してさしあげたい」という思いもありますが、1度のそれも2時間程度の研修でそれが解決されるのはほぼありません。そうであれば、多分その問題はすでに解決していることでしょう。
そのため、まずはその依頼主いわゆるクライアントにヒヤリングを行い「なぜその研修が必要になったと感じたのか?」という理由を深堀りしていきます。これはいわゆる現状把握になりますが、同時に、前提そのものに対する疑いをかけていく行程にもなります。つまり原因の根本となる、いわゆる「真のニーズは何か?」を探り出すということです。
原因の根本、真のニーズを探りだす
例えば
「歯が痛いから、痛み止めを飲む」という対処法では、ひとまず痛みという症状は改善されますが、また時間が経つと痛みが再発することは多々あるでしょう。問題の根本は、痛みの原因となる虫歯を治療することで、それによって痛みという状態そのものを改善することになる、ということです。
組織内で起こった状況(=症状)に対して、その対策として研修を行うというのはまさに対処療法で、一時的に効果は発揮しますが、継続した効果を期待するには難しいことがあります。つまり、根本を解決したことにはならないからです。
そのため、ヒヤリングでは2名以上の参加をリクエストすることもあります。現場の状況をよく捉えている方が複数人いることで、現状を多方面から理解することにつながります。その結果、俯瞰して状況整理し、現状を的確に把握することができます。その上で、根本の原因となるものは何か、真のニーズは何かを特定していきます。人にあるのか、仕組みにあるのかと大別し言語化した上で、それぞれの解決策を提案していきます。
真のニーズは言語化されていない
あらためて、依頼の当初に問題の根本であり、真のニーズは言語化されていないことは多いです。とはいえ、あからさまに疑ってかかっては仕事の依頼を無下にすることになりますので、ひとまずお話をお伺いさせて頂き、現状を深堀りした上で、その根本の問題、真のニーズをともに言語化するお手伝いをさせて頂きます。
それが見えてくる、また腹落ちするとクライアントもとても安心し、具体的な展開となります。マナー研修をしてほしい、という当初の依頼が、職場内の信頼関係づくりやコミュニケーション強化の研修への変わったり、継続したサポートを頂くことにもつながります。
今回も、最初は現場について怪訝そうな顔をしながらの依頼でしたが、ヒヤリングを進めるうちに本音が少しずつ顔をだし、同時に表情も和やかになり笑顔に変わっていく様子に立ち会えました。とはいえ、私にとってはこれからが実際のお志事です。ワクワクするような提案をしていきたいですね。
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本当のニーズは何?