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小夜時雨すだく虫の音ふっと消ゆ

小夜(さよ)は夜で、時雨は秋の末から初冬にかけてぱらぱらと降る通り雨のことです。

寒くなってきました。早朝に小公園で体操をしています。おとといは、最低気温が14度でワイシャツ一枚でした。きのうは13度でベストをつけて。けさは10度になりジャージを着ました。秋は、急速に深まっています。天気予報によると、10月下旬から11月上旬の気温だそうです。

こよい陰暦の九月十三日の月は「後の月」と呼び、「十三夜」ともいわれます。夜空に輝く陰暦八月の十五夜(9月21日)の「仲秋の名月」に対して、気候も変わり少し欠けた月の姿です。「名残の月」という情緒のある名もあり、しっとりとした風情です。

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七十二候の【蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)】に入ります。

秋の虫が戸口で鳴きはじめるころ。
一年を72に分ける七十二候の51番目です。二十四節気「寒露」の末候になります。10月22日まで。

蟋蟀在戸 Kirigirisu to ni ari;Crickets chirp around the door.
October 18-22 (cricket;コオロギ。chirp;虫が鳴く)

〔蟋蟀「シッシツ」〕は漢語でコオロギのことです。古くはキリギリスといいました。これは秋に鳴く虫の全般をさし、コオロギのほかキリギリス、松虫、鈴虫などもふくんでいます。


     虫時雨ちちろころころ銀の鈴
            機織り聞こゆ邯鄲の夢

「ちちろ」も「ころころ」もコオロギのことです。キリギリスは、ぎーちょんという鳴き声から、古語で「機織り虫」と呼ばれました。

「邯鄲の夢」の「邯鄲」とは、唐の貧しい若者が旅で立ち寄った町の名前です。そこで道教の道師に栄華が思う通りになるという枕を借り、うたた寝をしました。その間に、50年あまりの富貴を極めた一生の夢を見たのです。夢から覚めてみると、道師の炊いていた黄粱(こうりゃん)の粥がまだできあがっていない、ごくわずかな時間の体験でした。

美しいといわれる「邯鄲」の声と姿です。You Tube 1分7秒
https://www.youtube.com/watch?v=v643jaUiCL8

写真は、京都のイノダコーヒー本店の書斎風の旧館です。夜になると、中庭で秋の虫が鳴きはじめるような気がします。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖のほとりの草庵にて
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