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短か日や穴惑ひする秋の蛇

「穴惑ひ」とは、秋彼岸をすぎても冬眠のための穴に入らない蛇のことをいいます。

 七十二候の【蟄虫坏戸】に入ります。
「むしかくれてとをふさぐ」と読みます。「坏」には、土を塗ってすき間をふさぐ、という意味があります。小さな生きものたちが、冬を前に戸を閉じて穴にこもるころ。じっさいにはもっと寒くなってからなので、今は準備のときです。

一年を72に分ける七十二候の47番目です。二十四節気「秋分」の次候になります。10月2日まで。
「啓蟄」の初候(3月5日)「蟄虫啓戸・すごもりのむしとをひらく」で出てきた小さな生き物たちです。

蟄虫坏戸 Mushi kakurete to o fusagu;
“Insects hole up underground.”September 28-October 2
(insect;虫 hole up;隠れる。身を隠す)

    秋の蛇コスモス稲ものろり越え
            夕べの原を穴惑ひゆく

蛇は秋の彼岸に冬眠するために穴に入り、春の彼岸に穴を出るといわれています。「穴惑ひ」は、彼岸をすぎてこの時期になっても穴に入らない蛇のこと。気に入る穴を見つけようとしているのか。だんだんと寒くなっていきます。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖のほとりの草庵にて
#エッセー #物語 #七十二候 #蟄虫坏戸 #穴惑ひ

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