初日の出あらたまの年窓ひらく
「あらたまの」は、新年にかかる枕詞です。今年の歌会始のお題は「窓」で、そこから新しい世界入っていけます。
雲間より
天使のはしご降ってくる
天の窓まで
登りてゆかむ
【歌会始の儀】が18日に行われました。
午前10時半から「歌会始の儀」が、皇居・正殿「松の間で行われました。その起源は必ずしも明らかではないものの、鎌倉時代の中期に(800年ほど前)宮中で歌会が行われたという記述があるそうです。明治になって一般の人の歌も披露されるようになりました。
全国から寄せられた歌は1万3830首におよび、そのなかから10人が選ばれました。
天皇陛下の歌です。
世界との佳き来難(き かた)かる
世はつづき
窓開く日を
偏(ひとへ)に願ふ
昨年に引き続き新型コロナの収束を願う気持ちを詠まれました。
皇后さまの歌です。
新しき
住まひとなれる
吹上の
窓から望む
大樹のみどり
佳子さまの歌です。
窓開くれば
金木犀の
風が入り
甘き香りに
心がはづむ
若さがあふれていて、いいですね。幸せになってください。
秋篠宮の歌です。
窓越しに
子ら駆け回る
姿見
心和みて
くるを確かむ
佳子さまの次に紹介されたので、この「子」はご自分の三人のお子さまで、楽しかったころのことかな、と思いました。実は、教えておられる大学の窓から見た学校の子どもたちでした。
菅野昭正さん(召人:めしうど。天皇陛下が特に招かれて歌を詠む人)の歌です。
きはやかに
窓に映えたる
夕虹は
明日の命の
先触れならむ
「さはやか」は、はっきりしていること。92歳の学者の方が、人びとの明日の命を願う姿に感動しました。
川坂浩代さん(55歳 東京都)の歌です。
パソコンの
小さき窓に
それぞれの
日常ありて
会は始まる
コロナ禍のなか、今の生活の実感です。
毎年、京都のお香の老舗・松榮堂の「御題銘香」を求めています。
写真は、三輪純子さんが描いた包み紙です。
テレビを見ながら香りを聞くのを楽しみにしています。ミニ線香に火をつけました。その瞬間に感じたのは「紫の匂へる…」でした。
そして、浮かんできました。
かをり聞く 歌会始 むらさきに
天皇、皇后さまの後ろの壁が紫色でした。線香も紫で。薫りに色を感じたのは初めてでした。
来年のお題は「友」です。みなさん、応募しましょう。
あなたが幸せでありますように 琵琶湖のほとりの草庵にて
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