消費者起点の独自の価値づくりでファンを増やす、西友のPB「みなさまのお墨付き」。
みなさんこんにちは。和田康彦です。
西友のPB「みなさまのお墨付き」は、第三者機関が実施する厳正な消費者テストにおいて、味/使い勝手・価格・量に関しての評価を集計して好評価の製品のみを商品化するという、ユニークな仕組みを取り入れたブランドです。
◆消費者テストの支持率80%以上で商品化
2012年12月の発売以来、“有名メーカーと同等以上の品質で10%以上低価格 ~良いのに安い!~” を目指して、お客様のニーズに応える商品を開発。2020年8月時点で 約1,000アイテム以上を取り扱っています。
より厳選された製品のみを商品化するために2019年10月にはブランドのルールを見直し、それまでの消費者テストの支持率70%以上で合格という基準を80%に引き上げました。消費者テストに合格して商品化された後も、味や価格の最新トレンドに対応することを目的に、定期的に再テストを実施しています。
消費者の支持率を10ポイント挙げるのは、簡単なことではありません。当然不合格になる商品も増えます。それでも同社は、改良を繰り返しながら再度消費者テストを受けることで、商品化を実現しています。
その一例がインスタントの豚汁。当初は65.1%の支持しか得られませんでしたが、「具材が少ないという消費者からの不満を聞き、具材を60%以上増やした結果、96.4%の支持を獲得するに至ったといいます。
多くの小売業のPBが「小売側の視点や外部の専門家の視点で価値を認めた」商品であるのとは対照的で、商品の品質や味についての担保を消費者の評価を基にしている点で、他にはないブランディングを行うPBであると言えます。
これまでにカップ麺、ポテトチップスなどにおいてシーズナルフレーバー商品の数量限定発売や、本格的なカレーのレトルト食品のような個食用簡便食など特色あるアイテムも追加してきました。
◆西友のビジョンと4つの提供価値
現在西友は、「ローカル・バリュー・リテーラー(「地域のみなさまに、良いものを安く」)」というビジョンを実現するために策定した中期事業計画「スパーク 2022」を実行中です。
「ローカル・バリュー・リテーラー」になるために、西友では「毎日のお買い物を一番安く」「うれしい、おいしいお惣菜」 「新鮮な生鮮食品」、そして「快適な買い物体験」の4つの価値提供を進めています。
同社では、提供価値のひとつ「毎日のお買い物を一番安く」を実現するための施策の1つとして、PBを位置付けています。西友のPBは、消費者テストに合格した製品だけを商品化した「みなさまのお墨付き」とベーシックな商品に特化した「きほんのき」の2種類です。
◆今後はさらに「みなさまのお墨付き」の新商品開発を強化
今後は、「みなさまのお墨付き」の新商品開発の加速化および開発手法を強化していく計画です。その一環として、この秋、「みなさまのお墨付き」から、インスタント食品、お菓子、缶詰、日用品、ペットフードなど100品目以上もの新商品を全国の西友・サニーの店舗と楽天西友ネットスーパーで発売。今期(2020年12月期)は前期比で2倍の「みなさまのお墨付き」新商品を発売する予定で、2022年には、グロサリー分野における同ブランドの売上構成比20%以上を目指しています。
西友でも当初はナショナルブランドのベンチマーク型PBの開発が主軸でしたが、消費者の声を生かした商品開発を数多く進めていくなかで、徐々に「みなさまのお墨付き」がベンチマークPBの殻を破り始め、お客さまの支持を得られるエッジの効いた商品を開発できるようになったといいます。
その際たる例が、レトルトカレーシリーズです。14年に4種類のレトルトカレーを発売して以来、150円という低価格で本格的なエスニックカレーが楽しめるとあって、PBにおける人気ナンバーワンカテゴリーとなっています。最も人気なのが、タイカレーの1つマッサマンカレー。当初はお客さまに馴染みのないカレーでしたが、今では西友のレトルトカレーカテゴリーで常に上位を占めています
◆コロナ禍で4つの切り口で商品開発(独自価値の提供)
そうしたなか、西友ではコロナ禍における消費者ニーズの変化として、巣篭もり・在宅による調理負担の増加と、生活防衛意識の高まりに対応した商品開発を進めることで、さらなるPBの拡大をめざします。
具体的には、 昨今の自宅で過ごす時間の増加や健康志向などニューノーマル時代の生活スタイルへの変化を踏まえ、今後の商品開発では、「Quick & Easy~もっと簡単に、もっと美味しく」「Guilt Free~話題のギルトフリーなおやつ」「Healthy~健康生活、はじめるチャンス」「Stay Home~お家時間を楽しもう」の4つを新基軸として、お客様のニーズに応える新商品を随時発売して「みなさまのお墨付き」のラインナップを充実させていきます。
このうちQuick & Easyでは、女性をターゲットに小盛りのご飯の上にかけるだで、ガパオやユッケジャンなど家庭では作るのに手間がかかるメニューを手軽に楽しめる「On the ごはんシリーズ」を発売。4Guilt freeでは、コロナ禍で菓子カテゴリーが慎重する中、罪悪感を感じずにお菓子を楽しめるよう、食物繊維を含有させた糖質オフのお菓子を開発。NBにはないフレーバーも投入します。
西友では商品開発のスピードも加速させ、20年の1000アイテムから、22年までに2000アイテムに増やし、グロサリーの構成比20%をめざす考えです。
◆消費者起点で独自の価値を提供してお客様を笑顔にする
「みなさまのお墨付き」からは、ブランドづくりをしていく上で学べる点がたくさんあります。ブランディングとは、商品やサービス、企業が、独自の価値をお客様に提供して、お客様に喜んでもらい、その結果お客様から「大好き」といってもらえるようになる活動です。
まず、お客様に喜んでもらうためには、「みなさまのお墨付き」が目指すような消費者起点に立った商品づくりが欠かせません。
また、独自の価値をお客様に提供していくためには、まず確固たるビジョンがなければいけません。
西友は、「ローカル・バリュー・リテーラー(「地域のみなさまに、良いものを安く」)」というビジョンを掲げ、それを実現していくために、「毎日のお買い物を一番安く」「うれしい、おいしいお惣菜」 「新鮮な生鮮食品」、そして「快適な買い物体験」の4つの価値を提供していくことを明確にしています。
さらに、変化の激しい現代は、柔軟に変化対応していくことも重要なポイントです。同社は、昨今の自宅で過ごす時間の増加や健康志向などニューノーマル時代の生活スタイルへの変化を踏まえ、今後の商品開発では、「Quick & Easy~もっと簡単に、もっと美味しく」「Guilt Free~話題のギルトフリーなおやつ」「Healthy~健康生活、はじめるチャンス」「Stay Home~お家時間を楽しもう」の4つを新基軸として商品開発していくことを明らかにしています。
その結果、ごはんにかけるだけで本格アジアンメニューになる「ガパオ」(1人前 / 150円)や、おから等を使い食物繊維がたっぷりで糖質も抑えたロカボビスケット「ザクザク食感の豆乳ビスケット(38g / 150円)」など、お客様の潜在ニーズを満たす新商品が続々誕生しています。
画像出典:西友ホームページより
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