竹林の道 光と風の舞
竹林の道を歩いた。
風が涼しい。
夏の光や暑さがここでは和らぐ。
外は強烈な日差しと暑さだ。
ここは何より静かでホッとする。
竹の枝葉が風で揺れ、潮騒のように音が流れていく。
頭上の笹の葉の間からはキラキラと光がこぼれる。
木洩れ日には焼けつくような熱さはない。
うっすらと目を細めて見上げれば煌めく波間のようだ。
風も、ここを通るときに笹に熱を取られて青い風になる。
風と木洩れ日。
最上の涼。
しっとりとした地面の匂い。
遠くで蝉の声が聞こえる。
ある夏の日の小さな喜び。
絵 マシュー・カサイ「竹林の道 光と風の舞」水彩 和紙 1091X788mm