夏が来た 太平洋高気圧の空
歩く私の腕が日に照らされ熱い。
吹き出す汗
私の水分が大気に蒸発してゆく。
道は白く輝き、揺らめく。
今日は晴天の夏日
太平洋高気圧が空を覆う。
突き抜けるほどの青空
巨大な入道雲が怪獣のように空を占める。
熱い風が吹きつけてくる。
大変だ、なんて暑さだとつぶやきながら笑ってしまう。
これを待っていたんだ。
この暑さ、このエネルギー、まばゆい光
焼けつく喉をペットボトルの水で消火しながら天を仰ぐ。
今日はいつもより空が高いんじゃないか?
今日の空の青はきっと異世界に通じる青だな。
あの入道雲、下界を見下ろしてニヤッとした。
暑さに朦朧としながらも楽しい幻想が駆け巡る。
この色が好きだ。
真夏が好きだ。
クタクタの体は生きてる証だ。
絵 マシュー・カサイ「夏が来た 太平洋高気圧の空」水彩 和紙 1091X788mm