月夜の滝 紅葉
月夜が綺麗で、滝を見たくなった
月明かりの中、滝は静かに光っていた
昼に見るより白く輝き、滝音がゴウゴウと響いていた
薄暗がりの中、紅葉は淡く光り、揺れる
滝と向き合う
白く大きな滝は、霧のようなしぶきを上げ轟音は体を揺さぶる
吸い込む空気がしっとりと潤い、肺を浄化していく
何も言わない滝は、ただ膨大な水を叩きつけている
静かな森に滝の音だけがこだまする
周りの紅葉や岩が家来のように跪いて見える
森の神
神聖な空気を吸い、水音に打たれ、目を閉じる
自分も紅葉の一本の枝となり、無心に呼吸する
ゆっくりと目を開けると、前より滝が静かに見える
滝の霊気を分けてもらい、落ち着いた気分になる
きっと昔からこうして人が滝に会いに来たんだろう
すこし体がほぐれた気になって帰る
きっと自然に癒されたんだ。
絵 マシュー・カサイ「月夜の滝 紅葉」水彩 60P