海から見上げた空 青の世界
火傷しそうな熱い砂浜を歩き、海に入った。
照りつける太陽は肌に痛い。
ひとけのない海辺は静かで、波の音だけが聞こえる。
素足に感じる海水は心地よく、燃えそうな体を冷やしてくれる。
沖にも一隻の船も見えず、どこか知らない遠くの場所のようだ。
海の水が綺麗。
誰もいないとこんなにきれいなんだ。
エメラルドグリーンと沖の方はコバルトブルー。
思い切って頭まで海に入ってみた。
海の中も明るい
波のまだら模様が海底に揺れる。
飛び出してハーッと息を吸い、顔を手でぬぐう。
海の上は風が吹く。
濡れた肌に風が触れていく。
熱を取り、髪を揺らし乾かす。
見上げると紺碧の空に、そびえ立つような入道雲。
青い空、風と波の音、流れる雲
広い広い青の世界にポツンと一人立っている。
私も青い光になって空の向こうへ飛んでいきたくなった。
ある暑い夏の日の午後。
絵 マシュー・カサイ「海から見上げた空 青い世界」
水彩 新麻紙 1091X788mm