見出し画像

ある秋の日 

ある秋の日、湖の近くに来た

空の透き通るような青に惹かれ外に出たくなった

今日は思い切って郊外

周りに人影は見えない

なぜか、この水辺は特に気持ちがいい

空を写した湖に見入っていると秋風が波紋をつけた

音のように広がっていく波紋

ちょっと寒いくらいがうれしい

高い空のブルーが、夕刻とともに地平線からピンクに変化していく

遠くに見えるのは霞んだ山

頭の上には電線も屋根も何もない

ビルに囲まれた都会と違って、突き抜ける解放感

息苦しい夏と物憂い冬に挟まれた短い秋

すぐ終わるからなおさら美しい季節

うっとりと眺めて時間が過ぎていく

そろそろ髪に風を感じながらお家に帰ろう

温かい食事を楽しみに。



絵 マシュー・カサイ「ある秋の日」水彩 P60



いいなと思ったら応援しよう!