九月の空 広大な海
心が重くなるとここに来てしまう。
耐えていてもだんだん積もっていく黒いストレス。
生きていくうえでストレスは仕方ない。
でも気付かないうちに俯き、肩を落としている。
気分は昏く、静かなため息が続く。
考えても仕方のないことが多い。
誰に言っても解決しない。
誰にも言う気もない。
そんな時無性に海が見たくなる。
大きな空が見たくなる。
九月の空。
誰もいない海。
今日初めて顔を上げ、深呼吸した。
ものすごい大空間。
限りない空と果てしない海。
砂粒の私。
おおらかな潮風、輝く日差し。
静かに繰り返す波音。
単なる慰めではない。
綺麗な風を心に吹き込んでくれただけ。
飛んでいる海鳥の一羽になって、水平線に飛んでいきたくなった。
ストレスなんかどうでもいい。
とりあえず生きていこう。
絵 マシュー・カサイ「9月の空 広大な海」水彩 P60