見出し画像

他の人が欲しい物を手に入れてしまった時の話。

人が欲しがっていたものを、
自分は欲しいと思ってなくて、
たまたま自分が手に入れてしまった経験ありませんか?

たまたま、自分が手にいれてしまって...
あっ、まずい。これはあの人が欲しがっていたものだと気づく。
私はこういう時、欲しがっていた相手に自分から話すことができません。
自分が欲しかったわけではないから、自慢したいとも思わないし、相手が悲しむ顔も怒る顔も見たくないから、敢えて話題に出さないようにしてしまいす。


普通に考えたら、いつかは気づくのだから、相手にとっては黙っていられる方が嫌ですよね。そこは本当に申し訳ないです。


そんなことがよく身近に起こります。


ある人は、自分が一番それを欲しかったのになぜ自分ではないのか、自分にはそれを手に入れる価値がないのか、と拗ねてしまいました。
私が手に入れてしまったことが原因なので、そのある人と私は気まずくなり、しばらくの間上手く関われなくなりました。


その時は、その「ある物」をある人ではなく私に渡した人を心の中でちょっとだけ恨みました。
欲しいと言ったわけではないのに、欲しがっていた人がいたのに、なんで私に渡したのだろうと。



しばらく時間がたち、また別の人が欲しがっていた物も、私がたまたま手に入れてしまいました。

私は前回の経験があったので、私にその「ある物」を渡そうとした人に、私ではない別の人が欲しがっていることを伝えました。



その人は、私に「いろいろ考えてあなたに渡すことにした。別の人には他の機会に、別の物を渡すから大丈夫。」と言いました。
しぶしぶ受け取りましたが、私はやはり手に入れたことを、誰にも言えず黙ってしまいました。



しばらくたって、欲しがっていた物が私に渡ってしまったことを知った別の人は、一瞬悲しい顔をしたけれど、私を責めることも、自分自身を責めることもなく、

私が手に入れた物を私が上手く使えるように、使い方を一緒に考えて、自分の時間を沢山使って手伝ってくれました。


私なんかが手に入れてしまい、しかも受け取ったことをちゃんと伝えられず、申し訳ない気持ちでいっぱいだけど....
とても心があたたまりました。悔しい気持ちはあるだろうに、なんて優しい人なんだろう、と。


私も、自分が欲しかった物が近くにいる誰かに渡ってしまうことが今後どこかであるかもしれないけど、

前者のある人の対応ではなく、後者の別の人の、大人な対応ができたら良いと思います。


嫉妬したり拗ねたりしたら格好悪いから。悔しいという気持ちはもってもいいけど、相手に優しさを見せることができる心のゆとりがあったらいいなって。


不安と気まずさが、相手の優しさによって、ちょっと幸せを感じた、そんなお話でした。


いいなと思ったら応援しよう!