欲深く

子どもがおもちゃ屋とかで欲しいものを
買ってもらえず、ぐずっているのを見ると、
なんだか良いなぁと思う。

昔から「自分はこれがしたい!」みたいな
欲が無くて、おもちゃは誕生日とか
買ってもらえる日に貰えれば満足だったし、
将来の夢も親が教師だったから
とりあえず教師と言ってた。

そんな僕にとって初めて欲が出たのは、
就職だった

将来は教師になると言っていたが、大学を決める時
「親が教師で自分も教師って何か面白くないな」
と思い、教師の線を断ち切るため
大学は経済学部へ進学。
(経済でもなれるが、教師になれるカリキュラムを
全蹴りした)

かと言って将来の明確な目標があった訳では
なかったが、中学の頃に美術の先生から言われた
言葉が自分の中で引っかかっていた

「君は、頭の中ですごくアイディアが
溢れてるからもっと良い絵になりそうなのにね」

「絵が上手くないね」とも捉えられる言葉だが、
当時からお世辞にも絵が上手いと
言われるような画力は無かったので、
その辺は特に気にならず、むしろ絵などの
クリエイティブな事は向いていないと思っていた
僕に1つの想いが湧いてきた。

(もしかして才能ある?)

僕はこの言葉を
「頭の中のアイデアを絵にできたら天才だね」
と解釈したのだ。

そこで、
「よし!絵を練習してピカソになろう!」
とはならなかったが、
人を楽しませる事が大好きだったので
何だかその言葉はすごく嬉しかった。

そう、人を楽しませるのが好きだったのだ。
これを活かせる仕事は無いのか考えた。
さすがに、お笑い芸人みたいなタレントになる
自信はなかったが、それに近しい事をやりたいと
考えた時、テレビのディレクターを思いついた。

ただ、自分の周りの友達、親、親戚含めて
そんな事をしている人はいなく
未知の世界に飛び込んでいく感じが
すごく怖かった、、、

その時ちょうど、
現役でディレクターをしている人が
うちの大学で講義するという情報を耳にした。
(なぜ、そんな講義があったのかは謎だが)

その時間、本来出なければならない
別の講義があり、今までの自分だったら、
(でも、講義出なきゃいけないし、、、)と
理由をつけて自分の欲を退けていただろうが、
その時僕は、初めて「自分の欲」と
ちゃんと向き合ってみようと決心し、
本来出なきゃいけない講義をぶっちして、
ディレクターさんの講義を聞きにいった

結果的にその講義に行って本当によかった
その甲斐あって、無事就職。

働き始めて2年目、
大変なことは色々あるが
(皆様の想像通りだと思います、、、、笑)
僕はこの世界に飛び込んでよかった

たぶん、怖くなってこの世界に飛び込まず、
なぁなぁで先生になったりしてたら
絶対後悔していたと思う。

あの時、「自分の欲」とちゃんと向き合うことを
選択していてよかった

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