見出し画像

#47授業の目的地を明確にしよう

皆さん、こんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
記事に辿り着いていただきありがとうございます。
授業をする上で大切なことがあります。

それは、その1単位時間や、単元を通しためあてを明確にすることです。
ここ数年、研修や書籍等で言われていることなので、多くの授業でめあてが板書されています。
このめあてをどう設定するかで、その授業が決まると言っても過言では無いですよね。
授業をしたことがある人であれば、理解していただけるかと思います。
なぜなら子供達が身につける力が明確になれば、指導方法は自ずと決まってくるからです。

自分の実践や多くの授業を見てきたものから具体的にお話いたします。

例をあげてみましょう。
中3数学 因数分解
展開をある程度身に付けていれば、因数分解は逆のことをすればよいため、子供たちはどのような形の式にするかはすぐに理解できます。

大体の子どもは「(x+○)(x+△)の式にすればいいんだよね」と言ってくれます。
そうすると自然と「で、どうやって?」となってきます。
そうすると子どもたちは考え始めるのです。

そう、このときに本時のめあてをどうするのかです!

よく見かけるめあてはというと・・・

「因数分解の方法を考えよう」

というものです。
実際に私もこのように設定したことがあります。
そうすると子どもたちは一生懸命考えるのです。
めあてを設定しないと公式を覚えるだけであったり、方法を教えてもらうことが主になったりと受け身の授業となってしまいます。
めあておおかげで子どもたちは考え、時には生徒同士で話をして学びを深めていきます。
そして、授業の最後には本時の振り返りをするわけです。
何に対する振り返りかというと、それはもちろんめあてに対する振り返りです。

多くの子どもたちはこのように書きます。
「一生懸命考えたから充実した授業だった!」
さて、この振り返りから子どもたちは何を身に付けたのでしょうか?
この授業では、考えることが目的だったわけです。
つまり、どのような力を身に付けるのかが明確になっていないため、振り返りも曖昧なものになってしまいました。

それは「目的地が明確になっていない」ためです。
「新宿駅から北の方に向かってください。」と言われたら皆さんどうしますか?
多くの人は困惑するでしょう。
なぜなら、どこに向かっていいかわからないから。
「札幌市に向かってください」と言われれば、おそらく飛行機または新幹線を(多くは飛行機かな・・?)使うためにどうするか考えるでしょう。
「福島市に向かってください」となれば、飛行機という選択肢は少なくなり、自動車や新幹線ですよね。
「新宿駅から新大久保に向かってください。」これも北の方ですよね。
このときに新幹線や飛行機を選択する人はいないはずです。
自転車や電車でしょうし、頑張る人は走ることも考えられます。

このように目的地を明確にしないと、北の方と言われても見当違いの手段を考えてしまうかもしれないのです。
ということは、「因数分解の方法を考えよう」では、何も身に付かなくても考えていれば、その授業の目的は達成されてしまいます。
では、どうするか、子どもたちの実態に沿って、
「因数分解の方法を隣の人に説明しよう」
「因数分解の方法を文章でまとめてみよう」
「因数分解の方法をプレゼンしてみよう」
というようにするのはどうでしょうか。

そうすれば、「伝える力」「文章にまとめる力」「パワポなどにまとめる情報活用能力」を身に付けられると思いませんか。
何度も言いますが、どのように設定するかは子どもたちの実態、その学校の学校経営方針、年間指導計画等で変化してきますので、一つに決められません。
これは、その場にいる先生方が決めなければいけないと思います。
それが授業力の1つになるでしょう。

「そんなことわかっているよ!」という人もいるかと思います。
でも、自分自身も含め、意図的にめあてを設定し、振り返りにつなげている人の方が若干少数派だと感じています。
忙しいとは思いますが、教師が最もやらないといけないのは授業改善なので、ぜひとも考えてみてください。

余談ですが、「因数分解の方法を考えよう」でも、いいときもあるんですよ。
次の授業で、考えた結果を用いて活動する計画を立て、子どもたちに明確に伝えているならそれでもありです。
そういうのは指導案や年間指導計画を見ればわかりますので、めあてを見ただけで全てを否定することはないですので、その点はご理解ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆さんにとって何か気付きになれば嬉しいです。
それでは、また次の記事で!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?