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冬だからこそ!!!もっと意識高い肌のお手入れ。ガサガサ肌から、潤いの肌に激変!
少しずつ気温が下がり、肌の乾燥が気になる季節になりました。これからの時期、とくに気を付けたい肌トラブルといえば「乾燥によるかゆみ」です。
「なぜか顔がかゆくなる」
など、冬は肌のトラブルに悩まれる方もいるのではないでしょうか。
もしかすると、これらは乾燥によって起こるかゆみかもしれません。
冬は髪の毛が顔にあたるだけでかゆくなったり、かゆみを我慢できずに爪でかきむしって傷を作ってしまう事もあります。
傷ができると傷跡が残らないか心配になるし、爪でかきむしっても、かゆみは消えるどころか増す一方で悪循環になってしまいます。
だからこそ、日々の生活習慣を見直し、少しでも乾燥によるかゆみを避けたいものです。
今回は、これから寒さが増す時期に備えて乾燥によるかゆみの原因や予防法をご紹介したいと思います。乾燥によるかゆみの対策をして、今年の冬を乗り切りましょう。
【乾燥した肌がかゆみを感じる理由】
そもそも、なぜ肌は乾燥するとかゆみを感じるのでしょうか。その理由は主に「肌のバリア機能の低下」「知覚神経の伸長」によるものです。
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①肌のバリア機能が低下する
本来、私たちの皮膚の表皮は、角層とその上にある皮脂膜で覆われています。
角層では天然保湿因子(NMF)が産生され、水分を含み肌に潤いを与える働きをしています。
皮脂と皮膚の常在細菌が作り出す天然の保湿オイルである皮脂膜は角層の水分が蒸発しないように、水分の保持能力を高める働きをしています。さらに、角層は外部からのあらゆる刺激や異物の侵入などから肌を守る、いわゆる「バリア機能」としての働きをしています。
しかし環境の変化やストレス、睡眠不足などなんらかの理由で肌の天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質のセラミドが減少すると、角質層は十分な水分量が保持できなくなり、ひび割れや皮むけなどを起こします。
皮膚が乾燥すると、皮脂膜を作る常在細菌のバランスが変化して、弱酸性であるはずの皮膚が弱アルカリ性に傾いてしまいます。
これらの原因によって、水分を失った角質層は、バリア機能が低下し、アレルゲンなど多様な刺激を感じやすくなります。
②かゆみを脳に伝える知覚神経が肌表面までのびくる
肌の奥には、かゆみを脳に伝える知覚神経が存在しています。
肌の水分が失われる状態が長く続くと、この知覚神経は角層のすぐ下の肌の表面近くにまで伸びてきます。
この肌表面にまで知覚神経が伸びることで、少しの物理的な刺激でもかゆみを感じるようになります。
年齢と共に、皮膚のバリア機能が低下することで、湿疹がないのに痒みが起きるのはこのためです。
【肌が乾燥しやすくなる要因】
冬場は肌がとくに乾燥しやすいといわれますが、原因は空気が乾燥しているからだけではありません。
肌が乾燥する理由はさまざまで、複数の要因が重なって、肌を乾燥させている場合もあります。ここでは肌が乾燥しやすくなる主な要因についてご説明します。
①冬の時期による寒さなどの環境因子
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気温が低下して寒くなると体の血流は滞り、肌へ栄養が届きにくくなります。
また、汗と皮脂の分泌が低下することで皮脂膜の低下を招き、肌の水分保持力が低下しやすい状態になります。
さらに空気が乾燥することで、肌の角層の水分量は減少し、皮膚表面に微細なひび割れができるとともに、バリア機能が低下します。バリア機能が低下すると、外部からの少しの刺激にも反応しやすくなるため、かゆみを過敏に感じやすくなります。
②暖房器具(エアコンなど)の長時間の使用
冬は空気が乾燥する上、室内は暖房が欠かせません。
ですが、エアコンからの温かい風は空気を乾燥させ、湿度がますます低下します。そのため長時間、暖房の効いた部屋にいると肌が乾燥し、皮膚トラブルを招く原因へとつながります。
電気こたつや電気毛布なども肌の乾燥を助長する原因になることがあるので注意が必要です。
③熱いおふか(40°以上)に長く浸かる•ゴシゴシ洗いをする
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40℃以上の熱いお風呂や長時間の入浴は肌の皮脂を奪い、乾燥を進みやすくします。
また、かゆいからといってゴシゴシと肌をこすると、せっけんの成分が皮脂膜を剥がすだけではなく、角層を傷めてしまうなど、肌の状態をさらに悪化させることがあります。
④生活習慣や食生活の乱れ
寝不足などの生活習慣の乱れやストレスは、体の血流が悪くなり、肌の乾燥や肌荒れ、かゆみを起こす原因になることがあります。
また食生活の乱れも、十分な栄養が肌に届かず、乾燥や肌荒れの原因となることがあります。
⑤ 加齢
肌の乾燥が進む要因の一つに加齢があります。
個人差はあるものの、年齢を重ねると肌の皮脂量の低下がみられ、肌の乾燥が進みやすくなります。
ただし、冬の乾燥する時期は年齢に関係なく肌は乾燥しやすくなるため、若い人でも注意が必要です。
【乾燥によるかゆみを起こさないための5つの予防策】
肌のかゆみを抑えるためには、肌を乾燥させないことが大切です。日常生活でできる肌の乾燥を防ぐ予防策をご紹介します。
(1)洗顔は肌をこすらない•保湿はやさしく丁寧に
ホコリや汗、汚れなどは肌への刺激となってかゆみを引き起こす原因となることがあります。そのため肌は清潔に保つよう心がけましょう。
洗顔をするときは、低刺激性の石けんや洗顔料を十分に泡立てて、やさしく洗いましょう。
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汚れが気になるからといって、ゴシゴシと肌を強くこすったり、洗顔に時間をかけすぎたりすると、かえって肌のバリア機能を低下させる原因になることがあるので注意しましょう。
乾燥がひどいときは、ぬるま湯ですすぐだけでも十分でしょう。
洗顔後の肌は水分が失われやすいので、できるだけ早く保湿するように心がけましょう。
水分を補う化粧水をつけた後は乳液などで肌にフタをして、うるおいを肌にとじこめましょう。
このときも肌に摩擦を起こさないように、やさしく押し込むようになじませることがポイントです。
〈詳しい洗顔方法〉
正しい洗顔をマスターしましょう
1-洗顔の適切な手順
しっかり汚れを落とす為には、適切な手順で丁寧に洗顔をする必要があります。
ここでは、各工程における注意ポイントをご紹介していきます。
①洗顔の前には予洗い
洗顔をする際には、より顔の汚れを落としやすくするために、ぬるま湯で優しく予洗いをします。
この時、肌にダメージを与えないためにも、手でゴシゴシと擦らないように気をつけましょう。軽く肌にお湯をかけるイメージでおこないましょう。
②しっかり泡立てた濃密泡を使用
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洗顔料を手にとり、少量の水を足しながらしっかりときめ細かな弾力のある泡を作ります。泡だてネットを使うと、十分に泡だてやすいですね。
泡に弾力があると、洗顔時に手と肌のクッションになってくれるため、肌摩擦を防ぐことができます。
手につけた状態で逆さにしても落ちないくらいの硬さの泡を目安にしましょう。
③洗顔は皮脂の多いTゾーンから
泡は一番皮脂の分泌が多いTゾーンからのせていきましょう。
泡をのせたらくるくると円を描くように指の腹で優しく伸ばし、毛穴や小鼻など汚れが気になる部分は丁寧に洗いましょう。
この時、力加減も重要です。肌に直接触れないように、泡をクッションにしながら肌が動かないように気をつけましょう。
Tゾーンにのせた後は、皮脂汚れの少ない頬やアゴなどのUゾーンにも泡をのせて洗い、最後に目元や口元など皮膚がうすい部分を丁寧に洗いましょう。
④すすぎの温度は30〜34 ℃のぬるま湯で
最後に、30〜34℃のぬるま湯ですすぎます。
すすぎの際にも、力強く肌に触れるのではなく、泡を溶かすことを意識しながら優しくすすいでください。
すすぎ残しは肌トラブルの元になりかねないので、しっかり落としきることを意識しましょう。
また、フェイスラインや髪の生え際に泡が残りやすいため、最後にすすぎ残しがないかどうか確認しましょう。
⑤タオルで顔を拭くときは優しく
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タオルで顔を拭く際も、ゴシゴシとこすらないように気をつけましょう。
柔らかいタオルで顔全体をおさえるように、優しく拭き取ることがポイントです。
2-より効果的に美肌を作るには
より美しい肌を作るには、いくつか注意したいポイントがあります。
ここでは、前章での洗顔ステップに加えて気をつけたい項目についてご紹介していきます。
①必要以上に洗浄し過ぎない
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洗顔の目的は、余分な皮脂や汚れを適切に落とすこと。適切な回数の洗顔と保湿がみずみずしい肌を作ります。
皮脂や毛穴汚れが気になると、つい洗顔の回数を増やしたくなったり、必要以上に洗顔に時間をかけたくなったりしがちです。
しかし、健康的な肌とは、皮脂と水分のバランスが適切に整っている状態のことを指します。
汚れを落としたいがために、手でゴシゴシと擦りすぎる、または洗顔ブラシなどを使ったケアは、かえって肌を痛める原因になるので避けましょう。
また、洗顔の回数も重要です。1日に何度も洗わず、朝と夜に1回ずつと、1日に2回までとしましょう。
②毛穴汚れが気になる場合
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それでも毛穴汚れが気になる方の場合は、洗顔前に汚れが落ちやすい状態を作ってあげることが大切です。
タイミングとしては、夜の洗顔時に、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かった後、毛穴が開いた状態で洗顔すると良いでしょう。体が温まり、毛穴が開けば汚れが落ちやすくなります。
ゆっくりお風呂に浸かる時間はリラックス効果も得られるため、一日がんばった心と体を癒してくれます。
また、いちご鼻など、特に毛穴汚れが気になる箇所を集中的にケアしたい場合は、洗顔前にこちらの3つのケアがおすすめです。
•蒸しタオルで鼻を温める
•入浴の際にラップで鼻を包み、湯船に20~30分浸かる
•手で温めたホホバオイルやオリーブオイルを鼻につけて1分放置した後、マッサージを行い、コットンでふき取る
3-洗顔後にはすぐに保湿を
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美肌を作るには、丁寧な保湿も必要です。
洗顔後や入浴後は、肌が裸の状態で、急速に乾燥が進みます。
肌がベタつきやすい夏場の時期は、そのベタつく感覚により十分な潤いが保たれていると思われがちですが、気がつかない間に乾燥が進んでいます。
どの季節であっても、乾燥肌の方はもちろん脂性肌の方も、すぐに化粧水で肌に十分な水分を与え、水分の蒸発を防ぐために乳液・クリームなどの油分で蓋をしましょう。
4-洗顔タイムを自分で自分を労わる時間に
普段、何気なくおこなっている洗顔。
毎日のことなので、特に意識せず、しかも朝の忙しい時間は「できるだけはやく済ませたい」と感じていました。
しかし、洗顔タイムを“自分で自分を労わる時間”と捉えてからは、とても大切なものになります。
例えば、洗顔料をしっかり泡立てる時間や、洗い上げる順番をしっかり守ること、柔らかなタオルで優しく拭き取るということ。
毎日のルーティンだったそれらの行動を、少しだけ丁寧に扱い、少しだけ意識を変えるだけで、とても幸せなものに変化していきます。
そして、洗顔時の、肌を意識するという行為そのものが、その時のコンディションをチェックする時間にもなります。
肌の汚れを洗うという目的のためだけでなく、「今日は少し肌荒れを感じるな」「今日は少し乾燥気味かも…」と、“毎日自己チェックの時間を作る”という新たな視点を取り入れてみることはとてもおすすめです。
ぜひ、毎日の洗顔タイムを、自分を丁寧に扱う時間にしてみてくださいね。
(2)入浴はぬるめのお湯で
入浴時のお湯の温度は、高いほど肌の皮脂が失われるのでぬるめ温度(理想は40℃以下)に設定しましょう。
(3)十分な睡眠•栄養を摂りましょう
不規則な生活やストレスは肌のターンオーバーを乱し、肌荒れや肌の乾燥につながります。
そのため、適度な運動と休養、十分な睡眠を取り、ストレスや疲労をためないよう工夫をするなど生活習慣を見直すことが大切です。
食生活では肌の代謝を促進し、潤いを保つ働きのあるビタミン類を取るように心がけましょう。
またアルコール類・香辛料などは血管を広げ、かゆみを引き起こす原因となることがあるため、かゆみが気になるときは控えてください。
バランスの偏った食事ではなく、栄養バランスの良い食事をするよう意識しましょう。
<積極的に取りたい食べ物>
ビタミンA:鶏レバー、豚レバー、魚の肝、うなぎ
ビタミンE:オリーブオイルなどの植物油、アボカド、緑黄色野菜(かぼちゃ、モロヘイヤなど)、ナッツ類、ゴマ、玄米
ビタミンC:柑橘類、キウイ、ピーマン、ブロッコリー、キャベツ、サツマイモなど
タンパク質:肉、魚、卵、豆製品
オメガ3系脂肪酸:アマニ油・えごま油・麻の実(油)
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(4)室内の温度を上げましょう
暖房を使用すると室内の空気は乾燥します。肌の乾燥を進行させないためにも、加湿器などを併用し、空気が乾燥しないように気を付けましょう。
室内の湿度設定は60%前後が目安です。
加湿器がない場合は洗濯物を室内干しにする、水を入れたボウルなどを室内に置くことも湿度を上がるため効果的です。
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(5)身に着ける衣類は天然繊維100%の物を
肌に直接触れる衣類は、なるべく綿やシルクなど天然繊維100%の物を選びましょう。
アクリルやナイロンなどの化学繊維やウール素材は皮膚の水分を奪い、かゆみを誘発する要因の一つにもなるので注意しましょう。
化学繊維の洋服を身に着ける場合は、その下に綿素材の肌着を着るようにして、肌に直接触れないような工夫をしましょう。
【体をいたわり、乾燥トラブル知らずの肌を目指しましょう】
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乾燥による肌のかゆみは、肌のバリア機能の低下に加え、なんらかの刺激により悪化するケースが多くみられます。
かゆいと感じたときは、皮膚の水分が不足しているサインです。
かいて傷を作ってしまわないためにも、早めにケアをしてあげましょう。
また、生活習慣を見直すだけでも、肌の乾燥トラブルを防ぐことは可能です。
寒い冬は、つい熱いお風呂に長く入ってしまいがちなのですが、温度を意識しつつ、入浴後はなるべく早く保湿剤を付けるなどして、肌へケアを心がけるようにしようと思います。
肌のケアは毎日続けることが大切です。