
介護職員数が不足する時代を考える①~供給制約社会~
令和6年7月、厚生労働省のデータ推計によると2022年度は215万人が必要な介護職員だったが、2040年に必要な介護職員は272万人必要と公表された。
既に求人募集しても問い合わせがないということがよく聞かれる。今でさえ、人が来ない、人が来ないと多くの事業所から声が聞かれるが、今後さらに生産年齢人口が減少する中で、人が必要数を満たすことが難しくなるのは誰でも容易に想像できる。
先日とある認知症グループホームの管理者と話をした際に若いスタッフが辞めてしまい新しいスタッフがなかなか入職しないと言っていた。
そのスタッフが辞めた原因は、妊活したいが利用者からの暴言やストレスにさらされて妊活がうまくいかないという内容だった。
ハローワークに求人をかけても、どこも求人ばかり。民間の求人サイトから紹介の連絡があっても数十万円の採用コストがかかる。定着してくれればよいが、定着してくれなければ損失も大きい。
人材が来ないことも問題(これからは当たり前)だが、それ以上に、辞めたスタッフの理由のほうが大きな問題である。
認知症による周辺症状のコントロールは難しく、専門医に通ったからといってすぐに認知症による周辺症状が治まるわけではない。
利用者やその家族に知っていて欲しいのは、医療や介護サービスはパーフェクトではない、病院や施設に入れば問題が解決するわけではないという事を知っていて欲しい。