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スキー旅行記(2日目 徒然なるままに)
実は、昨日の午後スキーが怖くなって、早めにホテルのロビーに引き返していた。だって、パラレルターンどころか、八の字でも滑れないんだもの。滑れはするんだけど、止まれない。ネットでやり方を勉強しても上手くいかない。
最初の方はブレーキなんかかけられなくてもいいと気張っていた。イエーイ、俺めっちゃ速いじゃん!
くらいに思ってた。
でも一回調子こいて、ぶっこけてから、その爽快感がそそくさと逃げていき、代わりに恐怖君がやってきた。
それで昨日はゲレンデ(*ドイツ語)から早めに引き上げた。怖くもあったし、何より楽しくなかった。
明日になれば、きっとまた楽しく滑れる。
そんな安直な考えを持って、寝た。
今日、友達に誘われてスキーブーツを履き外に出て、リフト乗り場まで少し滑っていると、気づいた。
あ、無理だ。
だけどなんか、友達に誘われるがまま、気づいたらリフトに乗っていた、、え。
リフトが頂上に着くと、3つのコースがあった。私の友達は、一番傾斜の急なコースに一直線に猛進していった。当然、私は峻拒して1人居残った。
どこに。山の上に。
ここで夜を明かすわけにもいかないから、なんとかして私も降りなければ。可能性の残っているコースは2つ。1つ目はちょっと急だが、人が多いから安心。2つ目は傾斜はなだらかだが、クネクネで人がほとんどいない。
最初、2つ目に行こうと考えたけど、ブレーキをかけられない私がコントロールを失い、山奥に1人入っていったら、そこが私の墓場になりそうなので、人の多い1つ目の方へ引き返した。
でも、1つ目の方の滑り出しのところに立った途端、脳が拒絶し始めた。
こわいこわいこわいこわい
いかんせん2つ目の方に甘んじた。
傾斜の急なところは、スキー板を外し徒歩で下山した。冷静に考えてみたら、スキーで一瞬で通り過ぎていくより、生き物の気配を感じない雪山をゆっくり眺めながら歩いたほうが断然私は好きだった。
殺風景な雪景色をバックにそびえ立つ、背の高い雪を被った1本の木。その荘厳さに、いつまでも魅せられる。
リフトで山を登って、スキーで滑るという当たり前から逸脱してみるのもいい。
なんとか下山を果たした。そしてホテルへ駆け込み、私の部屋でのんびりnoteを書きながら、あとで温泉に行こう、と呑気なことを考えている。
旅先の宿はこんなにも心落ち着くものか。勉強道具など、日常を感じさせるものがない。手元にあるのは、家から持ってきた一冊の本だけ。それを読むか、温泉に行くか、音楽を聴くか、寝るか、何をしようか。
家で、このような太平楽な暮らしをしようとおもっても、なかなかできないものだ。目の前の机やカバンに気が惑わされる。その点、ここには何もない。こういう場所は、人間には必要だ。
温泉に行ってきます。
(本日フランス語済み)