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ひとつ屋根の下の他人

〜モクロミ〜

近年 出会いのきっかけとして有効活用されているマッチングアプリ

その響きに嫌悪感さえ感じる昭和生まれの私

でも、それはモクロミ次第なのだということを私は知っていた

もう随分ムカシのコト・・・
前夫のモラハラに耐えに耐えた年月の中で
私は解放の時を密かに目論んでいた
そして8年の年月を費やして、其れを実行した

覚悟して家を出た1年後に やっと離婚届にハンコをもらった
とにかくもう関わりたくなかったから慰謝料も請求せず
生活圏内のまちの片隅の 6畳一間に身を隠した

周りには友人知人がいっぱいいて
みんなが気にかけてくれてた
だから頑張れたのだけれど

外に向けて演じている元気な自分と
声を発することの無い独りの時間
そのギャップが重たく伸し掛って

言葉を忘れそうになってた・・・

そんな時 知人の1人が流行りのコミュニティサイト
mixiに招待してくれた

それが何なのか よくわかってもいなかったけど
幼い頃から『描くことで表現すること』が大好きだった私にとって
気取らず自由につらつらと感じたことを吐き出すように描くことが出来る
場を得たことで 息を吹き返したような感覚があった

見知らぬ他人でもありつつ
心の底のあたりを共感できる友達がたくさん出現した

そして・・・
2次元で出会った友達が やがて3次元で笑い合える友達となっていった

それはモクロミでも何でもなく 
思いもよらぬ展開だった

すべての物事を
自分の物差し1つで測ろうとすると
目盛が足りない

だって地球規模で測らないと
その先は見えないから

だったらモクロミだけあればいい

あとは予期せぬことをどう楽しむか

他人の心は其の人のもの
自分の意識をスッポリ被せてしまっては
心の底のあたりまで響かない

大事なのは
程良い距離と時間と空間だけ

やがてそれが
私の生きるフィールドをひろげることに繋がっていった



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