境内の闇に潜む影に話しかけた
今回はVRではなく、本当にあった怖そうな話です。
通勤の途中に小さな森がある神社に立ち寄ります。朝は鳥たちの鳴き声と境内を箒で掃く音に1日の始まりを感じ、夜は灯籠の灯りで浮かび上がる厳かな境内に癒されています。
去年の夏頃、木が茂る神社の裏口から山道に抜ける道を歩いていたところ、本殿の裏に気配を感じました。その場所は月や灯籠の灯りが届かない場所です。少しだけ足を止め、その暗闇を覗きこみましたが何も見つけることができませんでした。
ただ、カサカサという小さな音がするので、何かあるのは間違いありません。
余談ですが2chの怖い話が好きです。なので、”闇に潜むもの=お百度参り”と思っていました。
ある夜、帰宅途中に神社に立ち寄ると、本殿の側の木の根元に誰かが座り込んでいました。近づいてみました。40代ぐらいの女性でした。周りには丸々した猫が群がっていました。藁人形は持っていないようなので。とりあえず話しかけてみました。
私「こんばんわ。猫がたくさんいますね」
女性「猫ちゃんかわいい」
微妙に会話が噛み合っていません。それでも話を続けてみました。
私「何匹くらい猫がいますか」
女性「5匹くらい」
他にも会話を続けた結果、ある仮説が立ちました。
・この女性(以下、猫おばさん)は、猫が好きで毎夜会いに来ていた。
・猫たちに餌をあげたいが、境内では禁止されているので暗闇で餌付けしていた。
・私が毎日通るので、それに慣れて姿を現した。
その日からすれ違うたびに会釈をする間柄になりました。
しかし、冬の寒さが厳しくなった頃から姿を現さなくなりました。
消失した猫おばさん。餌を貰えない猫たちはどうなるのか・・・。
しばらく猫たちの様子を観察していましたが痩せ細ることはありません。
実は第2、第3の猫おばさんがいて世話をしていたんですね。猫たちは人の顔を覚えているせいで、餌をあげない私には近づいてきません。
なにもしてあげられませんが、猫たちには長生きしてほしいなと思います。
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