みっきーのリアル登山者の端書き#551『蛇に睨まれたカエル』
とある低山を登っているときのことですが、登山道わきに一匹のカエルを見つけました。
声は聴けても姿は中々見つかることがないのが山の中のカエルなので、ついつい足を止めて観察をし始めました。
ところがそのカエル、微塵もその場を動こうとしません。
普通だったら跳んで逃げそうなところも全く反応がなく、しばらく観察をしてみましたが時間も圧してきてしまったのでそのままのカエルを置いて出発することにしました。
すると、数歩歩いたところで登山道から谷へ向けて、細く木の葉がするすると動いて行きました。
どうやら蛇がすぐそこにいたようで、こちらが歩いてきたことに反応して逃げて行ったようです。
ここで私は、そこにいるカエルが「蛇に睨まれたカエル」状態で完全にフリーズしていたのではないかということに思い当たりました。
日本語には慣用的に色々は表現がありますが、まさにその場に遭遇することがあるとは思っても見ませんでした。
昔は蛇もカエルも今よりももっと見られていて、身近な光景だったかもしれませんね。
ともあれ、現場を体験することでその言葉がよりしっくりと自分の中で重みをもつこととなりました。
言葉は言葉として経験を経ずとも使えるのが便利なものですが、可能であればその現場や実行を伴わせると、より発信するときに力を増すのかもしれませんね。