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柿食おうやぁ

まだ実家にいた頃、姉とたまたまテレビで日本昔ばなしを見た。

多分再放送されたもので、久しぶりのあの感じに成人2人で真剣に見ていた。

たしか2話分放送されて、その2話目のお話だった。

「瓜子姫」と言うお話で、のちのち調べるとお話のあらすじや結末には色々違いがあるらしい。1番ライトなあらすじを簡単にまとめると↓


瓜から生まれた可愛らしい女の子=瓜子姫を
あるお爺さんお婆さんが大切に育てることに
した。ある日2人が家を空け、瓜子姫が留守番を
していると、あまのじゃくが現れてあの手この手で
瓜子姫を外に連れ出そうとする。
結局、瓜子姫は誘いにのってしまい、その後
あまのじゃくの罠で木に吊るされてしまう。
 
 あまのじゃくに連れ去られてから、瓜子姫の生死はお話によって違うらしい。私が見たのは確か最後まで生き残っていた。


だいたいこんな流れなのだが、特に怖かったのはあまのじゃくが瓜子姫を外に連れ出すための誘い文句だ。


「柿食おうヤァ…ヤァ…ヤア…」
「カキ、クオウヤァ…」
「瓜子姫ェ、柿食おうヤァ…」


姉と2人で終始、声にならない叫びをあげた。

怖い、怖すぎる。怖すぎるって。怖すぎるってばよ。

恐怖のあまりナルトが憑依してしまったが、あの悪魔はどんな忍術でも倒せそうになかった。そして柿食おうヤァにエコーがかかると案外怖いことを学んだ。


見てるうちにだんだんと「瓜子姫も柿に乗せられて外出るのやめなさいよ…お爺さんお婆さんが気をつけなさいって言ってたじゃん…」と思い始めたが、昔だし今で言うシャインマスカットレベルだったのかもしれない。あくまで悪いのはあまのじゃくなので、瓜子姫を責めるのはやめた。


これだけ没入して見てたのに、柿食おうヤァの威力が凄過ぎたあまり結末がどうなったかまではよく覚えていない。


これを書くにあたって改めて瓜子姫について調べたが、なかなか残忍なエピソードの世界線もあり、姉と見たのは1番ポップなお話だったようだ。


今でも何かある度、姉と[柿食おうヤァ]をネタ化しているが、本物はネタにできないほどマジのやつだったのかもしれない。

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