高校の履修科目選択の問題。
高校選びの時に気づいていたけれど、高校入学後もついて回る「地学」問題。
気象関係を学びたい息子のために、地学が学べる高校を探していた。しかし、我が県ではたったの4校しかない。運良くその中の1校に入学できたが、理系では履修希望者が少なく、少なくともここ数年開講されていないことがわかった。文系には地学クラスがあるのにだ。
地学が学べる高校がいかに少ないかは、早稲田大学の高木秀雄教授の調査を参照いただきたい。
理由の1つは大学入試。共通テストでは、文系は基礎科目2つか、基礎でない科目1つを選択、理系は基礎でない科目を2つ選択することになっている。
理系の私立入試では、物理・化学・生物から2科目を課される場合が多い。入試科目として地学を選択できる学部学科が少ないから、地学を選択した時点で、受験できるところが格段に減ってしまう。選択肢を広げておくには、必然的に物理を選択することになる。
息子の高校の場合、文理に分かれるのは3年生からなのだが、2年生で物理か地学を選択する必要がある。(生物基礎・化学基礎は必修)そして、3年生で新たに基礎科目を履修することはできない。2年生で文理に分かれる学校と同じく、1年生の後半で科目選択する時点で文系か理系かがほぼ決まってしまうということだ。
知ってはいたけれど、理科4科目のうち、3科目しか高校で学べないのはおかしくないか?
高校3年間で地学を学ばない空白期間ができるのは問題なのでは?
理系で地学を勉強したいのに高校で選択できないのはカリキュラムとしてどうなのか?
私の時代は高1で4分野を一通り学んだ。だから、毎年地学の基礎を教える先生もいた。(専門は地学以外だったかもしれないが)今は、もしかしたら教えられる先生も少ないのでは? ならば、大学に入ってから専門の先生から学んだ方がいいのか?
文系でも社会の科目選択で悩んでいる人がいるのではと思う。
必修科目が学習指導要領の変更のたびに変わっているようだ。
入試とは関係なく、もう少し柔軟に科目選択できるといいのになあと思う。
最近では、「情報」を共通テストで必修にするという話も出ている。
では、副教科とされている芸術や家庭科、体育・保健の扱いはどうなのか?
その方面の入試を実施している学部・学科もあるはずなのに。
大学入試を見据えた高校のカリキュラムだと、興味のあることを学び続けることができず、学びたいときに学びたいことを学べる環境になってないなあと残念に思う。