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朝井まかて『恋歌』

今まで歴史ものの小説を読んだことがほとんどなかった。
何事も挑戦、と思って手に取ってみた。

読み進めるのが難儀だった。
普段使わない単語や読み慣れない文体に手間取った。

でもなんだろう。
この読み終えた後の、心の突っ掛かりが取れた感覚。

愛って、愛。

こんなにも悔しくて、こんなにも腹が立って、こんなにも泣けてきて、読みたいのに読んだらそれが現実になってしまいそうで怖いと思った小説は初めてだった。

人を知るというのは己を知るということでもある。
でも、こんなのって、ない。

こんなこと、もう繰り返しちゃ駄目だよ。
二度とこんな世の中になっちゃ駄目だよ。
そんなことばっかり考えながら読んだ。

人の命って、なんなんだろう。

人を一人殺せば殺人者で、人を大勢殺せば英雄だと言ったのは誰だったか。
英雄ってなんだ。
auのことか?
みんながみんな英雄だと歌ったのはAIか。

歴史から学ぶこと

僕は歴史が大の苦手だ。
中学の頃から苦手すぎてびっくりするくらい歴史についての学がない。

最近、知人と話しててようやく織田、明智、豊臣、徳川の流れを知った。
最近ってか、先週。

それくらい歴史がまったく理解できてない。
歴史もののドラマとか、大奥とか、世の中で流行ったものは視聴するけれど、それがなんなのかはいまいちピンときていないままで現在に至っている。

そんな僕が歴史をなぞる小説を読んだ。
こんなに読書してて歴史に無知ってなんでだ?とは思う。

最高だったよ、この小説自体はほんとうに最高だった。
けど歴史ものをまた読みたいと思うかというと、話は別だ。

江戸が東京のことを指す言葉だというのも、先週知ったばかりだ。
たぶん授業で、むしろ義務教育の範疇で学習したはずなんだけど、ほんとうに歴史だけは今まで避けてきたからもう無理だ。

歴史って、僕の中では暗記科目になっている。
他の教科も暗記といえば暗記なんだろうけど、歴史以外の教科は僕の中で暗記科目になっていない。
考えれば答えが出てくる。
でも歴史は覚えないと考えても答えは出てこない。

その覚えないといけない量が膨大すぎるから、覚えるのを諦めた。

他にも英語は単語を覚えないといけないだろうとか言われるかもしれないけれど、語学は日常で使えば勝手に覚える。

でも、歴史は何から何まで覚えないといけない。
元号を日常で使うことなんて昭和と平成と令和くらいしかないからそれ以前をどう覚えていいのかわからない。
覚えることは苦手じゃないけど、覚えた先に何が見えるのかわからないから覚えることができない。

そんな僕が歴史小説を読んだ。

朝井まかて、ありがとう。

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