町屋良平『1R1分34秒』
すっすっはっはっすっすっはっはっていう息遣いが聞こえてきそうな勢いがあったけどこれは柳美里の『8月の果て』。
ハイになった気持ちで読み進めていきたかったけど現実を直視するシーンでどうしても内面と対話してしまう。
ボクシングと友情と信頼
青春って、渦中にいるときにはこれが青春なんだって気づかないけど、過ぎ去ってから、あ、あれは青春だったんだって振り返るものなんだと思う。
10代でも20代でも30代でも40代でも、いくつになっても青春ってあるんじゃないかなと、最近は考える。
キャリアデザインっていう言葉がある。
最近では、キャリアドリフトっていう言葉も登場した。
従来の、目標を定めて、そこに向かって自分のキャリアを育成していくのがキャリアデザインらしい。
それに対し、流れに身を任せて、行き着いた先でがんばることをキャリアドリフトと呼ぶらしい。
「流れ着いた先でがんばればいいのよ」って、何年か前にマツコが言っていたのが記憶にこびりついて離れない。
僕は、目標を持って、そこに向かってキャリアを形成することができなかった。
んー、語弊があるかも。
明確な目標を抱くことができなくて、そのための道筋を定めることができなくて、目標から逆算して考えることができなくて、どうしてみんなそんなことができるんだろうって悩んでいた。
人生何が起こるかなんてわからないのに。
そんな僕みたいなキャリアの積み方を、キャリアドリフトって呼ぶようになったらしい。
これが、多様性?
みんなそれぞれ精一杯生きてるんだからみんなを認めましょうってやつ?
知らんけど。
目標を持つことは大切だと思う。
僕もサラリーマンをしていた時代、毎月、毎週、毎日、契約数という目標を掲げて仕事をしていた。
どうやればその目標に到達できるのかを考えて仕事をしていた。
それが未達成だと、びっくりするくらい怒られた。
お前には目標に向かって突き進む明確なビジョンがないのかって言われた。
なかったんだろうなって思う。
ごめんなさいって思う。
その場その場で考えて行動してたんだろうなって思う。
でも、それが性ってやつなんです。
学生時代に友だちと一緒に講義を聴いているふりしてTwitterでリプを飛ばしあっていたことも、サラリーマン時代に会社の愚痴を言いながらお酒を浴びるように飲んでいたことも、フリーランスになってがむしゃらに仕事をもらえるよう交渉していたことも、振り返ってみたら、ぜんぶ、青春じゃね?
「一瞬も 一生も 美しく」ってコピーを発表したのは資生堂だけど、一瞬一瞬に全力をかけていたらそれが一生になって、全力をかけている瞬間ってつまり青春だから、一生青春ってことになるんじゃね?
青春を感じたかったら、全力で生きろってこと。
全力を、一生続けろってこと。
なにもやらなければ、なにも残らないから、1%でもいいから、とりあえず外に出せってこと。
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