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真夜中にストレッチをしながら

四十肩のリハビリで日々ストレッチを行っている。
朝と夜の2回。理学療法士に教えてもらったメニューをこなす。
最初は片手で収まる数だったが、なんだかんだで10種近くに増え、
30~40分ほど時間を割くことになった。

みっちり仕事をこなし、寝る前にストレッチをしていた時、
思い出した言葉があった。

極意は呼吸

伸ばすことだけがストレッチに非ず。呼吸を意識せよ、と。
確かに、肺が膨らむと内側からも伸びている感覚がある。
筋を伸ばして深く呼吸をして、内外から伸ばしていく。
気持ちの良さに心が落ち着いてくると、ある考えが浮かんできた。

――これはデザインにも同じことが言えるのでは? と。

呼吸とデザイン

日々作っている映像は、モーショングラフィックスに分類される。
が、丸や矩形や多角形、線が多用されるような内容ではなく、
必ずキャラクターが登場するキャラIPものだ。

先鋭的な表現よりも、キャラクターの魅力と世界観、
それらを包括した映像表現に重点が置かれる。
主役が埋もれてしまうくらい増し増しな賑やかし要素、
過剰なまでに画面密度を追い求めていくと、
隙間が無さ過ぎて、やがて息が出来なくなり…

呼吸が止まるのだ ※比喩的表現

オフラインのイベント会場内で公開する映像では、
目立つ初出情報が多く含まれている。
声優名やイラストレーター、主要スタッフやシナリオライターもだ。
これらはただ出せばいいわけでない。

客席の視聴者の呼吸も考え、適切な「間」をおく。
するとリアクションが起こる。歓声が沸く。
闇雲に情報量を畳みかけていては、呼吸が追いつかないからだ。

筋肉との繋がり

仰向けで腕肩を広げて伸ばし、腰を捻るストレッチ。
この時重要なのは、背中と腰への意識なのだ。
筋肉は繋がっているので、背中から腰にかけての柔軟性がないと、
肩にも影響が出るという。
肩を伸ばすなら背中を伸ばせ。腰を伸ばせ。足裏も伸ばせ。
身体は筋肉で繋がっている。部位は連動している。

――これもデザインと同じことが言えるのでは? と。

連動性とデザイン

映像は、視聴者の時間を束縛するコンテンツ。
キャラクターや必要情報の表示に注意しすぎても、
流れで見ると何か違うなということが多々ある。
前後関係がちぐはぐだと、いくらカットひとつを綺麗に整えていても、
見る人の心に強い印象は残らないだろう。

ひとつのカットに捉われず、数カットの流れで演出を作る。
それらが繋がり、1本の映像が出来上がる。
映像単体での表現よりも、パッケージとして見て
一つのコンテンツになっている。そんな演出が理想だ。


…そんなこんなでストレッチが終わった。
身体はいい感じにほぐれて、良い眠りに就けるだろう。
いつもより長引き、深夜3時になろうとしていた。

翌朝。スッキリした目覚め。頭もリフレッシュ状態。
そしてこう思った。

「何言ってるんだ俺は…?」




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