【印象に残った一文】脳科学は人格を変えられるか?
書名︰脳科学は人格を変えられるか?
著者︰エレーヌ・フォックス(訳 森内薫)
■印象に残った一文
『いちばん重要な発見は、楽観がプラスに作用するのは、適度なリアリズムと結びついたときだけだという事実だ』
■コメント
マインドセットについて脳科学の観点から論じた本です。
ポジティブな人がネガティブな人に比べて良い結果になりやすいという話はよく聞きますが、
この本はそのような単純なアプローチではなく、
様々な過去の実験や観察から、それぞれの特徴と長所短所について論じています。
特に印象的だったこの一文は、確かに身近な場面でも感じることですが、改めて言語化されると、なるほどと納得させられました。
地に足のついていない楽天主義よりは、少しネガティブでも現実的なことを考えられる人のほうが仕事の成果も安定していると思います。
また、人の良い面だけを見る人が採用やマネジメントに向いていない理由の根拠としても同じことが言えるのではないでしょうか。
スペシャリストと言えど、多くの場合は他人や環境とのバランスの上で仕事をしています。
裏打ちのないポジティブさや、貢献志向のない合理主義が組織の中で暴れまわってしまうリスクなど、多面的な判断をできるかどうかが大切だと思わされました。