2. シックスシグマを実践する上での大きな落とし穴
シックスシグマは、多くの企業で品質改善やプロセス効率化のために採用されています。しかし、導入の過程では思わぬ落とし穴に直面することがあります。本記事では、シックスシグマを成功させるために避けるべき落とし穴と、それに対処する方法を紹介します。
経営陣がシックスシグマに無関心!!銀の弾丸、魔法の勘違い
シックスシグマの最大の落とし穴の一つは、経営陣がシックスシグマを「銀の弾丸」として誤解し、具体的な関与を怠ることです。シックスシグマは単なる一時的なプロジェクトではなく、継続的な改善を求める長期的な取り組みです。経営陣がその重要性を理解せずに放置すると、現場での実践も失敗に終わることが多いです。
具体的には、ブラックベルトに一任(放り投げる)しておけばOK的な考えがまん延することです。ブラックベルトの上司は、通常チャンピオンと呼ばれる事業部トップ、経営トップです。関与していくには多忙すぎるかもしれません。ただ、シックスシグマといえどもそのフェーズは問題解決フェーズですので、解決には関与が必要な場面は必ず訪れます。
従って、チャンピオン(経営陣)が積極的にプロジェクトに関与し、リーダーシップを発揮することも解決の一つです。シックスシグマは全社的なプロジェクトであり、上層部がそのメリットを共有し、適切なリソースを提供することが成功の鍵です。
現場従業員が「シックスシグマは経営陣の道楽」と感じた時の対処法
現場の従業員がシックスシグマに対して「経営陣の道楽」と感じ、実際の業務改善に役立たないと捉えることがあります。このような状況は、従業員が日常の業務から離れた上層部の意図を疑う場合に発生します。
あるケースでは、当該企業の経営者が、単に「シックスシグマを導入している」と外部へ言及したいだけの場合がありました。このような場合、従業員は感度よくこのことに気づきますので、それなりの活動でこなし始めます。
経営陣が従業員にシックスシグマの目的を明確に伝え、彼らがプロジェクトにどう関与するかを理解させる、などの熱意は重要ですが、最初から目的も考えもないのであれば導入しないことです。現場従業員の業務が増すだけで、通常業務でのミス、エラーを助長する要因にもなります。
このようなケースの場合、当該運動は長くは続かないため、従業員は、潔く、自部署で使える手法を習得する場だと割り切り、学びの場とする切り替えが必要です。
シックスシグマの効果を測定する指標の現実性
シックスシグマのもう一つの落とし穴は、その効果を正しく測定することが難しい点です。多くの企業はKPIやROIを利用して成果を測定しますが、シックスシグマのようなプロセス改善手法は短期的な結果をすぐに見せることが難しい場合があります。
シックスシグマの成功を測るための現実的な指標を設定することが重要です。品質改善やコスト削減、プロセスのスピードアップなどの具体的な数値目標を設定し、それに基づいて進捗を確認する方法を採用しましょう。
年度のKPIなどの指標との干渉を避けるには、導入時期の考慮も必要です。
シックスシグマの導入から成果が出るまでのタイムラインは?
シックスシグマの成果が表れるまでには、一般的に長い時間がかかることが多いです。多くの企業は、すぐに結果を求めすぎて途中でプロジェクトを諦めてしまうという落とし穴に陥りがちです。
シックスシグマの導入後に結果が出るまでのタイムラインを明確にし、短期的な成果だけでなく長期的な成果にも注目することが大切です。一般的には、シックスシグマの効果は半年から数年かけて現れることが多いため、その期間にわたるモニタリングと調整が必要です。
まとめ
シックスシグマを成功させるためには、経営陣の理解と関与、従業員の協力、現実的な指標の設定、そして成果が出るまでの忍耐が不可欠です。これらの要素を踏まえ、シックスシグマの導入に成功すれば、企業全体のパフォーマンスが大幅に向上することが期待できます。
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