よみの部屋 (1話)
「これは、マンションで起こった物語。
別に怪奇現象が起こった訳ではないし、殺人事件が起こった訳でもない。
だけど、起こったんだ、起こってしまったんだ。
事の発端は、ある不思議な現象だった。
マンションにお菓子が落ちているようになった。
すると、たまたまここを遊び場にしていた子供がいたんだけどお菓子があるって気が付いた途端にどんどん増えていったんだ。
そして、ついに子供が事故を起こした。
4件も、
そんな簡単に事故は起こらないだろうって?
うん、ぼくもそう思うよ。
だけど本当に起こったんだ。
その事故の内容は、お菓子を取りにいった子供が、運悪く階段を踏み外したりマンションの3階から落ちたりしたんだ。
そんな事件が立て続けに起こったものだからこのマンションの住人はみんな引っ越してしまったんだ。
今では僕一人だよ。」