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消えない思い
あなたへの思いには
サヨナラしたから
心の奥の奥の奥底の
小さな箱の中に
しっかりとしまい込んで
がっちりと蓋を閉めて
ガムテープでぐるぐる巻きにして
二度と開かないようにして
そっと置いた
もう出てこないはずなのに
毎朝名前を呼びながら
ほとんど泣きながら
目が覚める
出てくるな
と思っているのに
Tシャツ1枚にも
ここあの人の手が触れたところ
これ着てる時ハグしてくれた
なんていちいち出てきてしまうのは
なぜなんだろう
こんな気持ちになるなんて
今更ながら自分のこととは思えないほど
恋をして苦しくて眠れない夜なんて
泣きながら目覚める朝なんて
歳を重ねた自分には
もう訪れるはずもないと
いつの間にか
思い込んで忘れてしまっていた
こんな時どうやって乗り越えてきたんだろう
恋を沢山してきたけれど
どうやってこの辛さから
抜け出してこれたのか
もう、それすら分からなくなるほど
こんな気持ちを忘れていた私
きっと心の中には
ガムテープでぐるぐる巻きにされた
小さな小箱はいくつか転がっているはずなのに
それらは大人しく眠っているのに
それとも時間の経過と共にそれらは溶けて
消えてしまったのだろうか
だとしたら、
やっぱりその時を待つしかないのだろうか
ゆっくりと苦しさや
悲しさと向かい合いながら
この消えない思いと向かい合いながら
何とかやり過ごしてきたあの頃のように
忘れられるその時を待つしかないのだろうか