通常モード
🟧ネイル
行く理由は二つ。会話と可愛くしてもらう爪のためである。ことは確かだ、写真を撮るのに、明日が本命の写真館なんです。そこにペーパードライバー私が行けるかどうか、怖かったのだというところからだった。旦那さんがね、という颯爽としたひと言が私の前を走ってきた。
都内から外れているのもあって、最近車を買ったという。車で都内走りたいけど駐車場が高すぎて都内で遊べないです。と、そのネイリストの彼女は話し始めた。最近初めて旦那さんと、昨日夜中にドライブしたんですよ。と話している。彼女は真っ盛りで気づいていないが、それは惚気である。
お互いが盛り上がって投げ合って話していたところから、彼女の旦那との話が弾んでいたところで、過去は楽しかったとなりたくもなくなったこともあった。どっちにしろわからなくてもいいんだし、なんて思って、次の瞬間、うん旦那はね、と過去の結婚生活の楽しかった思い出をほろほろと話す流れになった。どこにランチなど行きますかなんて聞いたものなら、都内を巡ったお出かけ話、都内なら決まったところはなく、色々なところに出没して、食べたいものを休みの日に回っていたなんてことをすらすらと話しながら、
ウェディングドレスを着るの、と言い出してその話で盛り上がってきた。私のドレス姿写真みたいというから見せることにした。でも、と前置きした。それは半年前に私が自分の今の姿の記念として、撮ったんです。想い出ですね。と話しながら、彼女はその写真を見つつ、驚きながら、どの写真も素敵ですねと言ってくれた。
旦那とのキャッチボールが続きながら
まさか前撮りを3月にして、翌月に離婚して、本撮りが5月だったから、撮った日はすでに離婚してたんです。とか
スタジオではスタッフさんに離婚してるとは言ってもいなかったため、あ、どうぞ旦那さんも一緒に、と明るく言われるまま、並んで2人で仲良く笑っている。離婚後初の元嫁と元旦那の「離婚写真集」である。
いつもなら、人に話す時、私は離婚しているという事も、ぶっちゃけて話してるのに、吹っ切れているから離婚して、元旦那とね、なんて言って、過去の写真集なんていうのも、ふざけた面白話として話すのが常だった。
まさか、色々なことは言えなくなった
半年前に離婚して、病気のことがあって元旦那とはまだ一緒に暮らしていて、実は今、3人で暮らしている、家には元旦那と私と、もう1人訳あって澁谷にいたナンパ師が住んでいる。
そんなこと、いえない。だから、籍が全員違うにも関わらず一緒に仲良く暮らしてるんです。なんて、更に言えない。
現実なのに、フィクションだとしか思われない。でもこれは本当の話である。
ネイル、会話で、楽しむ。これは私の日常である。
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