パートナーシップの死と再生
「旦那さんは絶望してるんやないか?」
「これまでも、父親としての無力感を何度も何度も感じてきたんやないか?」
ヒプノセラピストインストラクター講座の前日に、娘の学校のスクールカウンセラーから
「死にたい」
と言っていて泣いていたという電話を受けたのがきっかけでした。
娘がこんな感情を抱えてることを知って、親としてどうしよう……と旦那さんに相談してみたら
「じゃあ何をすればいいの?」
と突っぱねられ(…たように感じた)
ショックだった私が、ヒプノセラピーの師である藤原理恵さん(ちゃんりえさん)に相談したときに言われた言葉です。
その出来事の一週間後に、嵐はやってきました。
きっかけは旦那さんと息子との、他愛もないやりとりから始まりました。
「パパはこの家を出ていくよ。
いいよね、僕がいなくても3人でやっていけるでしょ。僕はよそに部屋を借りる。」
…と言い出したのです。
は???
なんでそんな話になってんの???
息子も息子で、空気を読まないタイプなので、
「パパ、出ていくなんて言わないで!!」
という感じではなく、ポカンとして理解できない顔をしている。
そして話の内容が理解できないらしく、引き下がってしまった……
これは、誰と会話してるのか。
「ローンとか、いろいろお金は出すから心配しないで」
「僕が行動力あるって知ってるでしょ?言い出したことは必ず実行するから」
やっと、息子ではなく、脇で見ていた私に向けられた言葉だと察しました。
最初は理由がわからなかったけど、少しずつ、今起きた息子とのやり取りじゃなくて、彼がずっとずっと呑み込んで、溜め込んできた感情が顔を出してきたのだと理解しました。
いつも理路整然としていて、こんな脈絡のない、感情的な話をする人ではないのです。
これは彼の潜在意識から出てきた本音。
パートナーがいなくなったらどうなる?
ちゃんりえさんが予言したかのような展開でした。
彼は何度も「自分は必要とされてない」と絶望してたんだ………
一瞬、この人がいなくなったらどうなる??
という想像が走馬灯のように駆け巡る。
私だって、主人と同じように
「家を出て、自分だけで部屋を借りて好きなようにしてみたい」、
「私がいなくても3人でそこそこ生活できるんじゃない?」
と考えてみたこともありました。正直なところ。
でも、それは、ある意味不自由だと思っていた家族がいてくれたから思える感情。大事なものを持っていたから。
それは、ないものねだりの幻想でした。
全ては、家族が、主人がいてくれたから私は私でいられたし、思う存分働けたし、好きなことにのめり込むこともできたのです。
当たり前の前提に気付いて愕然としました。
そこからは、まるで、自分がドラマの中に入ったかのような感じでした。予言を受けていたから不思議なくらいに頭は冷静で、「あなたが必要だ」ということを伝えなきゃ、とスイッチが切り替わりました。
10歳年上で、いつも私の保護者のように私がわかってないところ、抜けてるところをフォローしてくれていた旦那さんが、映画やドラマ鑑賞以外で泣いているのを、初めて目の当たりにして。
私が、「一人でやらなきゃ」
…好きなことを生計を立てられるレベルにしなくちゃ
…私の役割(家事の分担や経済力)を守らなきゃ
という思いで、必死に進めてきた思いや行動が、彼をこんなにも傷つけていた。
そのことを知り、心の底から
「(やりたいことを)一人で隠し込んでごめんなさい」
「気持ちを聞かないで勝手に決めつけてごめんなさい」
「あなたがいたから、私は今の私でいられる。あなたがいなかったらここまでできなかった」
「あなたがいる未来を想定して、私は前に向かってるから、いなくなったら困る。だから、出ていくなんて言わないで」
と何度も言いました。
そこから、ぽつりぽつりと過去の出来事を話していきました。
初めて京都に行った時、ちゃんりえさんにどうしたら旦那さんと仲良くなれるのかと聞いたら
「一日一回ハグやな。
違和感あっても毎日続けたら、絶対ラブラブになるわ」
と言われたこと。
やってはみたけど、旦那さんの反応が悪いから「今更私とハグなんて、面倒なのかな…」自然消滅しちゃったんです。
旦那さんは「本当はうれしかったのに、すぐやめちゃったね」
と言いました。
(えー?お前も意思表示しろよ…というツッコミは飲み込んでおきます)
めんどくさい人だな~と思いつつ、私だって十分めんどくさいんです。
そんなめんどくささとか表面的なことじゃなく、存在がいなくなる…という問題をつきつけられて、ようやくわかりました。
まるごと引き受けるってそういうこと。
いい部分だけじゃなくて、ネガティブな経験や気持ちも含めて全部なのだと。
この日、私達のパートナーシップは一度死に、和解できたのだと思いました。
気持ちやエネルギーの障害物がなくなり、だいぶ通りがよくなりました。
ここから復興、再生、統合です。
魔法みたいに目に見えた激変を期待してました。
一度ヒプノを受けたら、帰宅して旦那さんの態度が変わってた!などという眉唾ものを実は期待してました。
そんな都合のいい話ではない。
日々を丁寧に重ねていく、それだけなのです。
自己信頼を取り戻すために伴走いたします
《自分に還るヒプノセラピー》
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