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言葉に体温を乗せること

ひすいこたろうさん、ペンキ画家のSHOGENさんの著作「今日、誰のために生きる?」の中に


人と話すときは、その人を抱きしめるようにして話すんだよ


という名言があります。
その人のことを心から思って言葉を使うということです。
 
 
「明日どこに行く?」
「何を食べる?」
「何をする?」
というのは作業の会話で、その対極にあるのが心の会話

「それを食べてどう思った?」
「心はどう変わった?」
「どう感じた?」
というように、その人の本質を引き出す会話です。
 
 
 
私たち子を持つ親のほとんどは
私たち学校の先生はほとんどは、
子どもと作業の会話ばかりをしているかもしれないな…と思います。 
 

ヒプノセラピー(催眠療法)は基本的に9割以上が心の会話だと思いますが、これを日常にどう落とし込むかを私は考えています。
 
 

 
今日、とある巡回校での特別支援教室の個別指導で、4年目の付き合いになる6年生のAくんと話をしました。
 
 
このAくん、2年生の時は全く教室に入れませんでした。
Aくんには年子の弟がいて、1年生の弟Bくんはもっと大変。通り魔のように見境なく友達を突飛ばしたり、物を投げ飛ばしたりしていました。
 

兄弟2人とも進級と同時に特別支援教室に入級しましたが、学校は弟のBくんのケアを集中的に行おうとしました。

ですが、Bくんは何かと両親や祖父母に手や目をかけてもらえるけど、Aくんは「お兄ちゃんだから」という理由でいつも我慢を強いられるということを知り


私だけは思い切りAくんを依怙贔屓してあげようと思ったのです。
 


 
異例の4年連続の担当教諭となり、すっかり親族のような関係のAくん。
Aくんはコミュニケーションが不器用な子ですが、自分が大事に思う人のことはとことん大事にするので、私のよき理解者となってくれていて、Aくんはいつも私と「心の会話」をしてくれます。 
 
 
そんな少し特別なAくん。
中学受験のことをいろいろ話してくれたので、私も学校ではじめてヒプノセラピー(催眠療法)のことを話してみました。
その人にプラスの暗示をかけて、最大限の力を引き出すことだよ
というと、Aくんは、

 「ぼくにやってよ

 
と。 😳!
 
 
「いやぁ、結構時間もかかるし、ソファとかリラックスできる場所がないとできないんだよねぇ」
「でも、それでも学校でなんとか工夫して使えないかなぁとは考えてるんだよね
 

答えた自分にびっくりしました。
そうか、私、そんなことを考えてたのか!

いや、考えてたんだ!!!
 
 
私から本質を引き出すとは、さすが4年の付き合いのAくんですww



Aくんを教室へと見送った後、しばらく考えていました。
どうやったら学校でヒプノの要素が使えるのかな…と。
すでにAくんに対しては無意識に使っているのかもしれない。

 
 
すると、ふと、 
ヒプノと決めつけずに、心の会話をすればいいんじゃないか…
と思ったんです。
  
 

その次の時間、私は荒れ気味の高学年のクラスに行きました。
2年目の若い男性の先生が、子供の荒れに負けないように必死で立ち向かっています。


 
男の子も席から出歩いておしゃべりをしていますが、
女の子も手紙を回したり、折り紙を折って回したり、近くの席の子と手遊びをしたりしています。  


私は、折り紙を渡そうとして、折り紙を手から落としてしまった女の子のそばにいき、まっすぐに目を見て、
「今じゃないとダメかな?」
と小さな声に思いを込めながら、抱きしめるように言葉を使ってみました。

女の子はすぐに折り紙を止めました。
 
 
次は手遊びしている子のそばに行って、同様に行ってみました。
すぐ止めました。


そのほかにも何人か声を掛けました。
全く言葉が伝わらないツワモノも1名ほどいましたが😅、他の子は誰も怒ることなく、穏やかにその場にそぐわない行動を静かに「」やめました。

 
 
心の会話」を使うってこういうことか!
 
 
これまでも無意識に使ってきたかもしれないけど、それを自分のカードとして意図的に使えるとは!強力なアイテムを手に入れた気分です。
 
 
子どもに対してもですが、
保護者に対しても使っていたじゃないか、と気づきました。
 
 
先生たちを集めて学校としてできることを話し合い、職員の総意として管理職に伝え、管理職にそのことを保護者に丁寧に伝えてもらう。
すると、 
「〇〇してほしいのにしてくれない」
「あの子がいなければうちの子に支援員がつくのに」
と要求してきた保護者も、穏やかに、恐縮そうにこちらの話を受け取ってくれました。

きっと、私たちの気持ちが、誠意が、言葉に乗ったからだと思うのです。

 

これはすごいことに気付いてしまった!
丁寧にこういう取り組みを続けたら、これまで難題だと思っていた問題が片付いていくかもしれない。
 
 
 
これまで、学校が保護者を呼んで面談をするときは、大抵

お子さんは〇〇ができません。
他の子と比べるとこれだけできません。
(勉強やコミュニケーションがうまくいかなくて困っているでしょうから、特別支援を受けてみませんか?)


というように、できないことを伝えて、保護者に協力を仰ぐ形が多いかと思います。(作業の評価、作業の言葉)
 
 
勝敗でいうのもなんですが、この場合の勝率は2〜3割程度です。
 
 

もっと効果的に「心の会話」が使えたら、保護者も先生ももっと楽になれるんじゃないかな。。。。。
 
 
 
しばらく、私個人で実験を試みて、ある程度説得力のあるケースがたまったころに、先生たちに伝えてみたいと思っています。
 
 
これが使えるようになったら、すごいぞ💓

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