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《良心を持たない人たち》紹介④

3.良心が眠る時

身体的な要素の影響

サイコパスでなくとも、身体的な状態の変化が、良心に影響を及ぼすこともある。

体調不良の時がそうだ。
熱に侵されていたり、風邪に罹っていると、判断力が低下して、いつもと同じような精神状態でいられなくなり、結果的に良心を持てなくなる。余裕が無くなるということだろう。寝不足や過労もそうだろう。

身体的な要素ではないが、恐怖という精神異常状態も良心に変動をもたらす。

身体的な状態異常が良心の低下に悪い影響を与えると言ったが、その影響には限りがある。虫歯や寝不足が、テロなどの触法行為を誘発するわけではない。

サイコパス以外の人が良心を失う状況

サイコパスでない人間も、良心を失う状況がある。
それも対人でだ。

想像してみてほしい────────


火炙りになっている人がいる。

可哀想だと思うだろうか。

この人間の情報を書くとすれば《殺人鬼》ということだろうか。

一気に可哀想だという感情が消えたと思う。

サイコパスでない人間の良心が作用するのは、同じ価値観で生きている《仲間》のみであり、それ以外の異質なもの、または都合の悪いものに対しては適応されないという事実がある。それは世界史が証明している。
特定の民族を敵や害とみなし、迫害し、虐殺してきた歴史がある。アメリカなどは今でも人種差別が残っている。

この人種差別や虐殺を行うのはサイコパスではない。健全な人間だ。良心を持ち、仲間意識を共有している人間なのだ。良心を持つ定形型の人間さえ、同類であるはずの人間を殺すほど残酷になれるのだ。

良心は同調圧力に弱い?

良心を持たないのは虐殺や差別を行う不特定多数の国民ではなく、国民を纏めあげる指導者だったりする。
ドイツのヒトラーが典型的だ。ドイツが貧しいのはユダヤ人と障害者のせいだと強調し、国内の分断と団結を強めようとした。共通の敵がいると集団は強くなる。

指導者が唱えることは《常識》となり、常識は良心を麻痺させる。気づいた時には悪魔の所業を働いているだろう。

著者のスタウト氏は言う。
良心は催眠状態プログラムに勝てないと。

ミルグラム教授の実験で、電気ショックを罰として流す役割を不特定多数の人間に担わせた際、担わされた何十人もの被験者は、電流を流される人間が「やめてくれ!」と訴えても止めなかったのだ。
この結果から分かるのは、責任が自分にない場合、良心の呵責は起こらないということだ。権威からの命令とあらば、良心ストッパーは消える。善良な人間もただの機械と化すのだ。
僕の個人的な解釈だが、人間の規範意識や模倣意識が、このうような結果を招くのだと思う。
価値観は先天的なものではなく、後天的に植え付けられるものだからだ。超自我的に刷り込まれたプログラムは、良心さえ消すのだろう。

権威の距離

戦場の兵士は、「敵を殺せ」と命令する上官が現場に居ないと、良心が働いて、戦闘意欲が下がるらしい。人間は本来戦闘狂ではないのだろう。
なので、上官は必ず戦場に同伴する。
最近のロシア軍の方針もそうだが、逃走防止策として、前線の兵士たちの背後から、銃口を仲間に突きつける部隊が配置されているのだ。

良心を持っておく

良心を持っているということは、罪悪感も持っているということ、権威者からの刷り込みに背くと、その本人に《行動に対する重荷》を背負わせる。

…ちょっとこのあたりでまた読みずらくなってきました。
良心を持っているから背徳感に苛まれるのか、権力者の超自我コントロールに支配されているから、良心を目覚めさせて自分軸を保たなければならないのかl。

少なくとも強い意志が必要であり、私たち善良で平凡な人間に勝ち目はないのだと書いてある。


─────サイコパスは100人に4人の割合で存在している

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