「出来たらいいのに。」(詩)
無理だ。
分かり合えないことを知って。
根本の原因に気付く。
争いの火種が転がる。
積み重なった歴史の上。
綺麗に濯がれたこの身体で。
貴方は、
何がしたいんだ。
私は、
何かがしたいんだ。
現状を好転させる何かを。
積み重なった歴史の上で。
もう、かつての過ちを繰り返さないように。
それでも。
私達は人間だ。
どうしても分かり合えない人はいる。
対立し、ぶつかり合う心。
燃え広がって、やがてはその身を焼いていく。
「分かり合いたい。」
少し前まで、そう願っていた。
それが不可能だと自ら体験して、
知ってしまった。
争いが起きるのも仕方ないな。
静かに現状を受け入れる。
それでも。
積み重なった戦争の歴史。
間違いを知って。
綺麗に濯がれたこの身体では。
少なくとも、過ちを繰り返したくないんだ。
この痛みを知る日の下に
小さな命として生まれたからには。
新たな歴史を刻みたいんだ。
世界の流れを、変えてみたいんだ。
死力を尽くしても叶わなさそうな望みに、
私はため息をついていた。
あーあ。
そんな大層なことが、出来たらいいのに。