[詩]「羅針盤」
海風に
揺れる船
青空に
陰る雲
羅針盤が
見当たらない
航海の旅に
目的がない
分からない
生きる目的
なんてもの
辿り着きたい
目標地点すらも
持っている方が
珍しいもので
ただ
気に入ったものと
漠然とした
憧れがあった
ああ
貴女のように
なりたかった
誰かの羅針盤に
なってみたかった
目的を与えて
あげたかった
私がかつて
熱を帯びたように
その「目標」のために
生きていたいと
思えたように
けれど
そんなものは
傲慢なだけ
誰だって
いらないさ
けれど
私達は
いつでも
羅針盤を
欲していた
このあまりにも
長い旅路に
人生に
確かな
意味とか
目標が欲しい
だけなんだ
でも
与えては
貰えない
人生という名の
大海原を駆ける
あの船の船長は
私だけだから
もしも
羅針盤を
見つけたなら
目標へと
向かう
希望の紐を
掴んだなら
どうか
離さないでいて
海風に
揺れる船
夕焼けに
焦がれる心
舵を取って
方向を定めた
見つけられた
気がしたから
まぁ
今までだって
足掻いてきたんだ
向かう
海の先で
どんなことが
起きたって
あの熱を
手放さないなら
きっと
生きていける
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