「ENVY.」(詩)
あの日、憧れたこと。
誰かを愛すること。
誰かに愛されること。
夢を叶えること。
友人と笑い合うこと。
たくさんの犠牲
痛みと引き換えに。
振り返れば、気の遠くなる程。
走り続けて、命を削って。
願いを叶えたくて
ここまで辿り着いた。
少しずつ、過去の痛みは和らいでいく。
少しずつ、不満を失って。
少しずつ、やりたいことが出来るようになって。
自分に自信がついて。
……そして、認められて。
幸せになっていく。
それでも。
足りないと感じる
大罪の一つ二つ。
強欲と羨望。
綺麗な言葉で自分を正当化する。
どこまでも、人間で。
進む度に、何かを間違えて。
昔憧れた自分とは違う。
傷だらけの自分。
色んな世界で、輝く人を見るたびに。
自身の力の無さを嘆きながら。
自分も。
彼らのように
輝きたいと、本気で思う。
「憧れは理解から最も遠い。」
……誰かが言った言葉。
目指しても無駄かもしれない。
届かないかもしれない。
間違って、しまうかもしれない。
……それでも。
あの日憧れた、
自由な空を目指して。
今。
愛すること、愛されること。
笑い合うこと。
夢を叶えて。
誰よりも強くなる為に。
生き残る為に。
心の中の命の灯火を。
全てを捧げて。
自分も、過去も。
恐怖も、痛みも。
受け止めて。
乗り越えて。
忘れないで。
きっと、夢を叶えて。
後悔なく、やりきれるように。
自分のことを救えるように。
これまでも。
これからも。
どれだけ傷付くとしても。
心の底からの幸せを。
いつか、手にする為に……