「ジョーカー·アステロイド。」(詩)

心が灰になれば。


僕の全てが、

やがて星を穿つならば。


夢が鮮やかになる。


強くありたいだけと願う心は。


例えば。

誰かに恋をするだけで、

簡単に自壊する。


散々既に。

解っていた筈なのに。


閉ざされた退路には、

一つだけの扉。


そこには、僕が望む幸せがある。


空を飛ぶ夢を見る扉。


身体が灰になれば。


誰かの中に

灰の欠片があれば。


やがて、どこかで花が開く。


嘲られた記憶を打ち砕くような。


過去を消して。


ここから先を、

静かに見つめるような。


輝く未来だけ見て。


心臓からは

鮮やかな想い出が流れている。


生きる。


風の吹く崖の先。


大きく光る

誰かの世界という星すら撃ち抜く魔弾。


恐怖も、常識も、劣等感も。


跡形も残らぬ程に。


もう誰にも、

下らない気を遣われない為に。


惨めに、

立ち尽くさない為に。


もう二度と、

負けない為に。


全てを賭けた、切り札を……


「……なんで。」


なんて、何度も泣き腫らして。


薄暗い部屋から、

また眩い光の先へ。


「下らない物語」

酷評なんて知らない。 

きっと。

自分が正しいと想った先が、

自分にとっての正義だから。


もしもそれでも、

心が灰になるなら。


砕かれて、

もう戻らないのなら。


最期はどうか笑わせて。


夢でもいいから、どうか。


最期には、

僕の望む世界に………


下らない同情を吐き捨てて。


「----僕は、恵まれていたから。」


そう、笑わせて。


魔弾の輝きの中、

静かに祈った。

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