
手の込んだ雑談6:徐々に浸透する「クリスマスに鮭」
クリスマスといえば食卓に並ぶのは鶏肉と言うのは定番と言われるけど、近年は少しその傾向が崩れつつある。
最近はマス科の魚、サケやサーモンが食卓に並ぶ事がネット上を中心に多く見られている。
発端は特撮
2018年12月23日にテレビ朝日系列で放送されたスーパー戦隊シリーズ『快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー』。
この日の話は「クリスマスにはチキンじゃなくてシャケを食え」という思想をバラマキ、チキンを淘汰していくある意味迷惑すぎる敵怪人「サモーン」をヒーローが倒してチキンで無事にクリスマスを迎える話なのだ。
これが放映された直後、ネット上では「案外鮭でクリスマスいいかも」と思った人達が多く数日後のクリスマスに鮭やサーモンでクリスマスを楽しむ様子がSNS上で多く見られた。
現実には2019年、イオンが乗り出した
翌2019年、現実にもサーモンによるクリスマス戦略を展開する流通大手が現れた。イオングループである。
2019年のクリスマスは23~25日が全て平日である事、軽減税率の導入などから自宅で簡単に楽しめるように「サーモン」によるマーケティングを展開してきた。
実際鮭は彩を添える?
マス科の魚でもサーモンや鮭は白身魚とは言え身が紅いので、彩を添えるのは確かだけどメインにはなりにくい存在だった。
しかし洋食でもスモークサーモンやメイン料理でもバター焼きやムニエル、クリームシチューにぶっ込んだりできるからクリスマスにはかなり使える食材だ。
チキンだとどうも茶色が多くなりがちなので、食卓を彩やかになる。
そもそもヨーロッパ圏ではポピュラー
フランスやイギリスではクリスマスにサーモンを食べるのが定番だ。
イギリスではクリスマスにサーモンパイが作られるし、フランスでもサーモンは定番食材だ。
そもそも日本のチキンはケンタッキーフライドチキンがクリスマスの時期にアメリカの七面鳥に倣って売り出したのが発端だ。
アメリカをベースにした鶏肉と欧米発端の鮭が日本でぶつかり合う事になった。
農林水産省の思惑
日本の省庁ですらも「クリスマスに鮭、サーモン」の推進を企んでいる。
水産庁
2020年農林水産省のうち、水産庁が「#サーモンでクリス鱒」を展開して水産庁職員を主としてサーモンや鮭の料理の写真をアップしてきた。
2021年からは前述のサモーンが使ったセリフをそのまま使い「クリスマスにはシャケを食え」を広めてきた。
更に農林水産省の広報が展開するメディアチャンネル「BUZZMAFF」ではサモーンを賞賛し、省庁の面々が戦隊に出てきた敵を公に認めるという面白い事態に発展した。
農林庁側も陰で
鶏肉関係を管轄する農林庁側も実は微かに期待していたのではないか?
と言うのも国内外問わず飼育コストの高騰で鶏肉の価格が上がってきている。これにより12月の鶏肉の供給が危うくなり、一時期コンビニのチキンが販売中止になる事態にも発展した。
少しでもサーモンやシャケに移れば流通量を調整できるからだ。だからチキンの流通量が下がってもクリスマスにサーモンの促進運動も農林庁は黙認しているようなものだ。
家で気軽楽しむのに適してるのはサーモン?
日本の元号が2019年から「令和」になってから、祝日の一つ「天皇誕生日」が2月23日になったことにより、12月の23.24.25日のいわゆる商戦的な「クリスマス3が日」が全て平日になる年ができた。それだけでなく2020年に入ってからのコロナ禍では外で食べる事が限られてしまうので、手頃に楽しめるサーモン料理でクリスマスの食卓を彩るようになった。
チキンもスーパーなどで作られたものを買えばいいのだろうけど、色々大変なところがあるらしくサーモンや鮭を使うところも増えてきたようだ。
写真映え的には確かにクリスマスカラーの野菜を添えたサーモンは結構いいだろうしな。
今後クリスマスの鮭やサーモンをチキンに並ぶ定番化するためにももう少し広め方を考えたいところだ。