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頭のなかと胸のうち

ここのところ精神障害のことをテレビで良く放送している。

私の姉は二人とも精神疾患で長年服薬の憂き目にあっている。
そのうち一人は薬の用法を誤って壊滅状態に陥り挙げ句自傷で亡くなった。
もう一人はゆるゆる服薬しながらなんとかやっている。
そんなこともあってついつい精神の病に関する本や番組など見てしまう。

先日も精神科医のドラマのPRで当事者である双極性障害をお持ちのお二方が出演されていた。
同じ双極性障害という病名をもらった私としては興味を引かれるものがあった。
実は約15年前診断されたときには病気だと信じてなかった。
そのうち受診も止めてしまったし、今も病気だという認識はない。

受診のきっかけはガスコンロの火を止め忘れてその火でうっかりTシャツの裾を燃やしてしまったことだった。

当時の私の訴えはこうだ。
「急にカッとなってあせって小さなことを失敗したり、うまく行きそうになると気分が良くなりこれまた細かいことをミスしがち。とにかくその時々の感情に振り回されてしまい、やらねばならないことに集中できない。怪我をしたりもの忘れがひどかったり、そしてその感情をもて余す自分が許せなくてまた落ち込む。毎日が葛藤のなか。どうにかならないか?」
今思えば問題は感情の起伏が激しいことにあせり、揺れ動く度に動揺し頭のなかがクリアにならないこと、日々その事にとらわれていることだった。


……これって病気なのか?

初診のとき私は医者かは
「躁鬱病の境界にいる」ようなもんだとあまりうまくない説明をされた。

当事者お二人の話を聞くととても
「おお!同病」
とはならなかった。
彼らとその家族の深刻さは私のものとは明らかに違う。
そして症状やその障害はもっと複雑なものに思えた。

私は眠れないとか、周囲にことさら心配させているとか表出する症状はない。
勝手に止めてしまった心穏やかになるという薬の恩恵も受けることはなかった。
ただただ胸のなかの疾風怒濤がおさまらない。目まぐるしく変化していく日常生活に必死でついてゆき
次のミッションがうまく行くかどうかを考える。
わたしに課されたすべてを確実に処理できるかどうか起きているあいだ心配している。
うまくいかないときの心配している。
そのときの自分の精神状態のことを心配している。
そのせいか一度も目を覚まさず夜明けとともに起きたとしても寝た気がしない。常に緊張、常に周囲の目を気にしているといっても良い。

しかしなんだかんだ悩みながら日常生活はなんとかなっている(ように見えている)わけでやはり私は病気ではなさそうだという結論だけがボンヤリそこにある。 
薬だけもらいざっくりとした説明しかされず、あとはボンヤリさせてくれる薬だけ処方されてなんど通って改善の道をきいても今後の治療指針もナニもなく毎度あり~な通院だった…ような記憶だけがよみがえった放送だった。

                 














 












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