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昭和の現像店が写真をつまらないものにしていたかもしれない。

スーパーで30分現像と同時プリントができた時代に短時間で仕上げられたプリントを見ていいと思ったことがありませんでした。フィルムの能力を活かしきれていなかったのです。ところが30年後にデジタル技術が発達したことによりフィルムの能力が明らかとなってきました。現像店の店員が操作する読み取り機でデータ化された画像は高性能タブレットの画像編集機能で自分の好みに色味や明るさを調整できるようになりました。下記作品は納品直後のフィルム写真のデジタル画像ですが、自分のイメージに近づけるために露出やシャープネスを少し調整しています。比べてみると暗部を落としてもハイライト部を活かしたメリハリのある画像に仕上げた方がより見る人に訴える写真となっています。(私の好みの範囲ですが)。30年前アンダー露出の写真はほぼ全部暗部を上げて締まりのない写真にされていたのですから、フィルムカメラが高性能でも、安易なプリント処理でフィルム写真の可能性を見出すことはなかなか困難な時代であったと思いました。若かりし頃に、長い年月を経てフィルム写真の可能性に気がつくことになるとは思ってもいませんでしたが、デジタル納品という新しい技術で得ることができるフィルム写真をベースにしたデジタル画像を手軽に楽しめるようになり、いい時代になったなと実感しています。本当はネガフィルムってかなり多くの情報量を持っていたんだなと改めて思いました。


<まとめ図>
ネガフィルム=版画の原盤→現像とデータ化=和紙に刷る作業→好みの色で刷り上げることができる。刷り上げる作業が現代ではデジタル処理になっています。
デジタルカメラの場合は下記になります。
撮影=版画の原盤=RAWデータ→PCでのRAW現像処理、もしくはカメラ内現像

版画の原盤がアナログなのかデジタルなのかの違いでしかありません。

RAW現像は電子的な処理ですが、フィルムの場合は化学的手法を使っており、
予想外の結果が得られる可能性も併せ持っているのでより楽しみが多いかと思います。

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