祖母のホットサンド

亡き祖母は大正生まれで、私が進学で実家を離れるまで同居していた。
多感な時期を東京で過ごしたという祖母の作る和食は、関西育ちの私の味覚には、少し合わない気がした。
そもそも祖母は、和食より洋食が好きだったようにも思う。
私が、小学生だった頃、祖母は、週末の朝ごはんに、よくホットサンドを作ってくれた。
キャベツの柔らかい葉の部分とハムを細く刻んでカレー粉で炒めたものに、ウスターソースを絡め、それをこんがり焼いた4ツ切りのパンに切り目を入れて、挟み込んでくれるのだ。
私は、いつもそれを、日当たりの良い、小さな庭にレジャーシートを敷き、大きな石をテーブル代わりにして1人でもくもくと食べた。
不器用で緊張しいの私には、それは、寛ぎの大事な時間だった。
祖母は、そんな私の性格をよくわかってくれていたような気がする。

#元気をもらったあの食事

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