リスクをどう考えるか?
「事業を始めたいんだけど、銀行からお金を借りてすぐ始めるか、働いてお金がある程度貯まったら始めるか。どっちがいいかな?」
こんな相談受けたらどうします??
自分だったら迷わずこうお伝えします。
「銀行でも親族でも借りられるところから借金して、すぐ事業を始めた方がいい」
理由は【お金という問題は解決できるけど、時間という問題は解決できない】からです。
初期投資がいくら必要かわかりませんが、お金が貯まるまでに3年かかるとしたら事業開始するのは3年後。
事業をするということは”収益が見込めている”わけですから、早めに実行した方が良いに決まっています。
満を持して3年後に事業を開始したところで、初期投資金額を少なく見積もっていてスタートから資金不足に陥ることだってあるし、そもそも思い描いていた計画通りにはいかず資金不足になることもあるし、事業をしていれば概ねお金の問題なんてずっと続くわけですよ。そして、3年待っている間に同じ事業を始めて成功を掴む人が出現するかもしれません。
一番大切なことは『時間』だと思います。
お金を借りるリスクを脅威と感じ、時間を経過させてしまうことを選択するのは良案ではない。
3年ですからね。3年で1095日。26,280時間を”事業で使うためのお金を貯めることに費やす時間”とするんですよ。だったらその3年という月日を、借金してでもお金で買ってしまえばいいだけのこと。
とは言っても、事業を始めるにあたりこんな思いの人もいるでしょう。
「計画通りに上手くいくか不安だ。。。」
「返済できなかったら、借金まみれになって自己破産かも。。。」
「金の切れ目が縁の切れ目。作り上げた人脈が消えてしまうかも。。。」
「事業を失敗したというレッテルを貼られ、信用を失ってしまうかも。。。」
「事業なんてやらなきゃよかったんじゃないの??という声が聞こえてくるかも。。。」
そりゃそうですよ。
なので必死になって事業をしているんです。
借金を抱えながら事業を営むということはプレッシャーが付きまとう。
リスクに対する覚悟が足りない。
リスクを取らないで何を得ようとしているのか。
車だって運転しなければ事故は起こらないですよね?
リスクと引き換えに目的地に向かっているんです。
たけど、運転しなければ目的地には着かない。運転できなければ目的地を諦めるしかない。
もしくは、手段を変更したり、大幅な時間を要したり、対価を支払ったり、運転できる他人を頼るしかない。
サッカーだってバックラインでパス回しばっかりしててもゴールは奪えないですよね?
ボールを奪われ攻め込まれるリスクがあっても、相手のゴールに向かって突き進まなければゴールできない。
安全エリアだと思っている自陣のゴール近くでパス回ししてても、パスカットされた瞬間に窮地に陥るリスクだってあります。
そもそも、90分間”ず~~~っと攻めず”に点を取られないことだけに徹しているチームを熱狂的に応援はしたくないですけどね。
住宅ローンを組んでる人は多いですよね?
これはリスクと引き換えに自宅を手に入れているんですよ。
借りた当初の条件で何十年も返済が続けばよいのですが、怪我&病気や業種によって稼ぎが減ってしまったり予想だにしていない出費が発生したりすると返済がきつくなります。
住宅ローンの返済で家計が回らなくなってしまう”住宅ローン破綻者”の割合は約3%がいます。100人中3人ですよ。支払えなくなったら、その不動産を担保している銀行(債権者)が競売の申し立てを実行し、裁判所を通じて強制的に売られてしまいます。
実質のところ、ローンを完済しないと”完全なるマイホーム”とは言えないのかもしれません。
ということで、実は何かしらのリスクと隣り合わせで生きている。
何か始める時にリスクに足がすくんでしまい動かないという決断をする人もいます。
それはそれでその人の正解かもしれません。
一番良くないのは、ずっと考えていて判断&行動もせずダラダラ時間が経過すること。
”やる”も”やらない”もスパっと決めて、”やる”なら早く動くだけ。
”やらない”と決めたなら、そのことはもう考えずに”やらない”時間を別の何に費やすのか。
2030年代半ばまでに最低賃金を時給1500円にするという方針を日本政府が発表しました。
単純に今から10年後には約1.5倍です。
今までと同じことをしている人に、そのまま連動して支払ってくれるのか不安を感じます。
2024年問題、物価上昇、円安、AI技術の進歩、日本人労働者の減少、外国人労働者の受け入れ、少子高齢化社会、子供の貧困、自然災害の危険性、地方の過疎化、生産性の低迷、赤字企業の割合65%、コロナ融資が返済できない実質倒産状態のゾンビ企業多数など。
現時点だけでも様々な問題を抱えております。
これらについて、「自分には全然影響もないし、関係ないことだ」と言い切れる人は稀だと思うが、
「では、何をしたらいいのさ?」と具体的な対応策が浮かばず悩んでしまう人もいるでしょう。
身の回りで起きている現状を今一度把握し、これからの時間を何に費やすのか。
ちゃんと考えた方がいいんじゃないの?と問われているのが『リスキリング』なのではないだろうか。
「知識」とは、情報やデータのことを指します。
『知恵』とは、学んだ知識を生活や仕事の場でどのように活用するかです。
「知識」は調べればすぐに回答を得られますが、それをどのように活かすのかが『知恵』です。
自らの方向性を見定め行動する『知恵』を養うためには、自分の時間を差し出すのが最低条件となります。
未来に繋がるリスクを取らないこと。
それが大きな損失を生むリスクとなるでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?