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「メンタル弱い」と言われて眠れなかったあなたへ― カウンセリングの現場から ―

「仕事できないんだったら、最初から言ってよ」

「メンタル弱いなら、この仕事向いてないんじゃない?」

カウンセリングの場で、こんな言葉に傷ついた人たちの声を聴いてきました。

そこで見えてきたのは、「メンタルが弱い」と言われる人たちの意外な共通点です。

人一倍頑張れて、周りへの気遣いができて、責任感が強くて。

むしろ、完璧を求めすぎる"強すぎる人"が多いんです。

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営業職の女性は、泣きながら話してくれました。

「上司から『メンタル弱いね』って言われて、「その夜、ずっとネットで調べてたんです。どうすれば強くなれるのかって...」

彼女は、誰よりも頑張っていた人でした。

毎日終電まで働いて、休日も企画書を作り続けて。

新人の面倒を見て、チームの調整役も買って出て。

「強くならなきゃ」

その思いが、逆に彼女を追い込んでいました。

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システムエンジニアの男性も、同じような悩みを抱えていました。

「完璧じゃないと、気が済まなくて」
「でも、それがしんどくて、しんどくて」

彼は人一倍、コードの品質にこだわる人でした。

テストにもレビューにも妥協がなくて、チームの信頼も厚かった。

でも、その真面目さが、少しずつ彼を締め付けていった。

「課長に『お前、メンタル弱いな』って、その一言が、ずっと頭から離れなくて」

そう語る彼の声が、少し震えていました。

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人事部の女性は、こんな気づきを話してくれました。

「パニック発作が出るようになって」
「私、弱くなっちゃったのかなって」

でも、よく聞いてみると、彼女の心は、必死に語りかけていたんです。

「もう限界だよ」
「少し休もうよ」
「このままじゃ、危ないよ」
と。

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広告代理店の男性はこう語ります。

「朝、会社の近くまで来ると、吐き気がして」
「電車に乗れなくなって」
「自分が、自分でなくなっていく感じ」

彼は、プレゼン資料を作り直すこと7回。

クライアントの要望に、いつだって120%の対応。

「できません」を口にしたことがない人でした。

その彼が、突然動けなくなる。

それって、本当に「弱さ」なんでしょうか?

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介護職の女性が教えてくれた言葉が、今でも心に残っています。

「施設長から『タフじゃないと、この仕事は無理』って」

「でも、私ね、気づいたんです」

「優しく在り続けることって、タフなことなんだって」

彼女は、お年寄りの些細な変化に気づける人。
家族の気持ちに、誰よりも寄り添える人。

その繊細さは、決して弱さではありませんでした。

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エンジニアの男性からは、こんな気づきを聞きました。

「体調崩したとき、パニックになったとき、それって、自分が何かを守ろうとしてた時なんです」

彼の仕事は、ミスが許されない世界。

だからこそ、心と体が出すSOSは、彼を守るための大切なサインだったのかもしれません。


経理部の女性も、似たような経験を語ってくれました。

「数字を扱う仕事だから、完璧じゃなきゃって」

「でも、その"完璧"に縛られすぎて、気づいたら、手が震えるようになってて」

彼女の「弱さ」は、実は最大の味方だったんです。

「今日はここまで」
「少し休もう」
「助けを求めていい」

その声に従える勇気。
それこそが、本当の強さなのかもしれません。

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新卒採用担当の女性が、こんな風に表現してくれました。

「今の私は、昔より弱いのかもしれない」

「でも、それって、私が自分の声を聴けるようになったから」

学生と向き合う仕事だからこそ、彼女は気づいたそうです。

「みんな、頑張りすぎちゃうんですよね」
「私もそうだった」
「でも今は、頑張りすぎない方が、かえって人の気持ちに寄り添えるって」

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総務部の男性は、こう話してくれました。

「課長に『メンタル弱いね』って言われた時、自分を全否定された気がして」

でも今は違うと言います。

「あれは、課長の小さな優越感が作った言葉」
「私の全部を知らない誰かの、ただの解釈」

そうやって、少しずつ自分の価値を取り戻していった人たち。

カウンセリングの場で出会った人たちは、みんな違う物語を持っています。

でも、共通しているのは。

「弱い」とレッテルを貼られた人ほど、実は誰よりも一生懸命で。

誰よりも周りのことを考えて。

誰よりも自分に厳しい。

そんな、強すぎる人たちだということ。

だから、あなたにも伝えたいのです。

その「弱さ」は、決して恥ずかしいものじゃない。

むしろ、あなたの中にある正直な声なのかもしれません。

昨日より今日、強くなれたかな?

それとも、大切な何かを守るため、今は弱さを見せているのかな?

そっと、自分に問いかけてみませんか。




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