【中学受験理科】「溶解度と濃度」の用語をわかりやすく解説
中学受験理科においてつまづきやすい「溶解度と濃度」(もののとけ方)の単元に出てくる用語をわかりやすく解説します!
溶解度とは?
溶解度とは、100gの水に対して、物質が溶ける限界の重さのことです。
実際に、溶解度の表を見てみましょう。
ホウ酸であれば20℃の水100gに4.9gまで溶ける、食塩であれば40℃の水100gに36.3gまで溶けるというように、物質の種類と水温によって溶解度がちがっているのがわかります。
溶ける物質が固体の場合、水温が高くなるほど溶解度は増える(※水酸化カルシウムなどの例外はあります。)ということは覚えておきましょう。
飽和水溶液とは?
60℃の水100gにホウ酸を溶かしていったとき、何gまで溶かすことができるでしょうか。
答えは14.9gです。溶解度の意味が分かっていれば大丈夫ですね。
では、60℃の水100gに15gのホウ酸を加えるとどうなるでしょうか。
15gのうち、14.9gまでは溶けますが、残りの0.1g(15-14.9=0.1)は溶けません。粒のまま残ってしまいます。
このとき、水溶液は溶ける限界量までホウ酸が溶けていることになります。この、溶ける限界まで物質が溶けている水溶液を飽和水溶液といいます。飽和とは「最大限まで満たされた状態」のことです。
「飽和水溶液になってから同じ物質を余計に加えてもそれ以上は溶けず、溶け残りの粒として残ってしまう」ということについては分かりやすいと思います。しかし、水温が途中で変わってしまうと、溶け残りの粒の量や実際に溶けている物質の量の関係が分かりにくくなってしまうので注意が必要です。
結晶とは?
繰り返しになりますが、溶ける物質が固体の場合、水温が高くなるほど溶解度は増えます。20℃の水100gにホウ酸を少しずつ加えていくと、4.9gまでは溶けますが、それ以上は溶けません。しかし、水をあたためて60℃にすると、溶ける限界量が増えて、14.9gまでホウ酸が溶けるようになります。
逆に、60℃の水100gに、ホウ酸を溶けるだけ溶かした飽和水溶液を冷やして水温を20℃にするとどうなるでしょうか。
60℃のときの飽和水溶液は水100gに対して14.9gのホウ酸が溶けています。これを20℃になるまで冷やしていったとき、飽和水溶液は水100gに対して4.9gしかホウ酸が溶けていないことになります。はじめに溶けていた14.9gのうち、4.9gはまだ溶けていますが、残りの10.0g(14.9-4.9=10.0)は再び粒となって出てきてしまいます。このように、もともと水に溶けていた物質が、溶けきれなくなって出てきてしまった粒のことを結晶といいます。
濃度とは?
水溶液全体の重さのうち、溶けている物質の重さの割合を濃度(濃さ)といいます。
濃度を求める公式は必ず覚えましょう!
入試問題では、濃度を求めるとき、割り切れないことがほとんどです。
濃度を求めるときには、必ず分子を100倍してから分母で割るという計算をしましょう!
溶解度と濃度の用語まとめ
溶解度・・・100gの水に対して、物質が溶ける限界の重さ
飽和水溶液・・・溶ける限界まで物質が溶けている水溶液
結晶・・・もともと水に溶けていた物質が、溶けきれなくなって出てきてしまった粒
濃度・・・水溶液全体の重さのうち、溶けている物質の重さの割合
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