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小学校低学年の子どもの読解力を上げる方法 11.親が本を読む

今回も、小学校低学年の子どもの読解力を上げる方法について紹介しますが、今までとはちょっと見方を変え、親が本を読むことについて触れてみたいと思います。

これまでは、子どもを主体となる方法でしたが、今回は、親御さんが主体です。

もちろん、これまでの内容と重なる箇所もありますが、その箇所はやはり重要なポイントなので外せないので、ご了承下さるとうれしいです。 

そちらもふくめて、以下に紹介しますね。

子どもは、親の行動をよく見ています。
親がやっていることを、まるで鏡のように映して真似するんですね。
普段何気なくしていることが、実は子どもにとっては大きな影響を与えているんです。

たとえば、親御さんが毎日楽しそうに本を読んでいる姿を見せたら、子どもはどう感じるでしょうか?
「本を読むのって、普通のことなんだな」
って自然に思うようになります。
そして、いつの間にか自分から本を手に取って読み始めるのではないでしょうか?
それは、親御さんが言葉で
「読め」
と命じるものではなく、子ども自身が
「次はどんな本を読もうかな?」
とワクワクしながら、本の世界に飛び込んでいくような感覚です。

一方で、もし親御さんがテレビを見ながら
「本、読みなさい」
って言ったらどうなるでしょうか?
子どもはそれに違和感を感じ、本を読むことに興味を持たないかもしれませんよね。

でも、親御さんが本を楽しんで読んでいる姿を見せればどうでしょう。
「あれ?本って面白いんだな」
と、子どもも思い始めます。

もし、子どもが
「これ、読んでみたい!」
と興味を持った本があれば、その本を手渡してみてください。
例えば、虫が好きなら昆虫図鑑、冒険が好きなら冒険物語。
きっと、子どもの目が輝く瞬間を目にすることができるでしょう。
自分で選んだ本を読むことで、
「本を読むのって楽しいんだ!」
と実感できるようになるはずです。
このやり方で自然と読書が習慣になった家庭を、私は何件も知っています。

親御さんも子どもも、本を読んで
「新しいことを知った!」
と感じる瞬間って、とても嬉しいですよね。
少し成長したような気持ちになって、もっと知りたくなる気持ちが芽生えてきます。
特に、子どもが本を通じて何かを学び、それを楽しいと感じた時、読書に対する印象がぐっと変わります。
「本を読む=楽しいこと」
という気持ちが定着すれば、もう親御さんが何も言わなくても、自分から本を手に取るようになります。

そのタイミングで、どんどん新しい本を渡してあげてください。
すると、子どもはスポンジのようにどんどん知識を吸収していきます。
新しいことを知るたびに、頭の中が発見でいっぱいになり、その様子を親として見守るのも、とても嬉しい瞬間です。

また、本を読むことで、内容を理解しようとする力も自然に育っていきます。
本に触れることで、読む力や考える力がつき、それが子どもにとって大切な財産になっていくのです。読書を通じて、子どもはどんどん学び、成長していくでしょう。

ただし、ここで大切なのは、無理をしないことです。
忙しい日々の中で
「今日はどうしても本を読む余裕がない」
と感じる日もあるでしょう。
そんな時は、無理に本を読むのではなく、親子の会話を楽しんでみてください。
例えば、夕食時に
「今日学校でどんなことがあった?」とか、
「どんな本を読みたい?」
といった、短い質問で十分です。
こうした小さな対話が、子どもの読解力や考える力を育てる助けになります。

また、自分のリズムに合ったやり方も大切です。
毎日たくさん本を読むのが難しい場合は、週末に時間を取って一緒に本を読む日を作るなど、無理なく続けられるペースを見つけてください。
たとえば、夜寝る前に10分間だけ一緒に読むとか、週末の午前中にお気に入りの本を一緒に楽しむ時間を作るなど、生活の中で自然に本を読む時間を作れる方法を探してみましょう。

子どもが読書や会話を通じて少しずつ成長していく姿を、焦らず、親子で楽しんでください。無理なく続けることで、やがてその習慣が子どもにとって大きな力となっていくでしょう。

もう一つ、付け加えておくこととして、この記事を読んでいる方で、いままで本を読む習慣がなかった親御さんがいらっしゃるかもしれませんね。

そのような方に向けて、手はじめに読むとしたら、以下のような有名な文豪たちの小説からはじめるのがいいんじゃないかな、と思います。

「吾輩は猫である」(夏目漱石)

「坊っちゃん」(夏目漱石)

「走れメロス」(太宰治)

「注文の多い料理店」(宮沢賢治)

「銀河鉄道の夜」(宮沢賢治)

「羅生門」(芥川龍之介)

「鼻」(芥川龍之介)

「杜子春」(芥川龍之介)

「星の王子さま」(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)

「変身」(フランツ・カフカ)

「老人と海」(アーネスト・ヘミングウェイ)

「幸福な王子」(オスカー・ワイルド)

これらの小説は、読みやすく、ページ数がそれほど多くないので、読書習慣がない方でも無理なく楽しむことができるのではないかと思います。
また、物語が長くないけれども奥深く、読後には考えさせられるテーマが多いので、きっと、読書の楽しさを再発見するきっかけになるのではないでしょうか?

もちろんこれらはほんの一部です。このほかの本もたくさんあるので、書店や図書館に出かけ、いろいろ探してみましょう。

日本国内外の名作を少しずつ読み進めていくことで、読書習慣が身につきやすくなると思いますし、読んだ本について子どもと話し合うことが楽になると思いますよ。

子どもとともに、ぜひ読書を実践されることをおすすめします。

実践されたら、そのようすなど、ご連絡いただけると大変うれしいです。
 
お待ちしています。

次回で、「小学校低学年の子どもの読解力を上げる」テーマをいったん一区切りとする予定ですので、どうぞお楽しみに。


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