「がん」という病気がもつ性質とは? 覚えておきたい初期症状・自覚症状
塊である腫瘍によって引き起こされる症状
がんという塊ができると、2つの症状が出てくる可能性があります。
▼1. 腫瘍が「できもの」として触れる
塊が皮膚の下の比較的浅い部分にできるようながんの場合、手で触れてわかることがあります。この代表が、近年、患者さんの数が増えている乳がんです。周辺の組織と明らかに手触りが異なりますので、自己触診による検診も推奨されています。
また、甲状腺がんは、首の前面あたりの「前頚部」の腫れとして発見され、触診によってがんの可能性を疑う場合があります。
▼2. 腫瘍によって、何らかの閉塞症状が現れる
塊が管状の臓器にできた場合には、何らかの閉塞症状が現れます。たとえば、大腸にがんができた場合には、便の通過障害としての便秘や、便秘と下痢を繰り返す便通異常といった症状を引き起こします。
また、がんが肝臓や膵臓にできた場合には、胆汁と呼ばれる肝臓からの消化液の流れが滞り、黄疸(皮膚が黄色くなる症状)が見られる場合があります。
がんからの出血によって起こる症状…出血・貧血・動悸・息切れなど
がんは、他の細胞よりも大量の酸素と栄養素を必要とするために、「新生血管」と呼ばれる新しい血管を多く作り、血流を引き込みます。
この「新生血管」は、通常の血管と比べて血管壁がもろく、ちょっとした刺激で出血しやすくなります。すなわち、がんでは、通常は見られないような出血が見られることも多いです。
たとえば、肺や気管支にできたがんでは血痰が、大腸にできたがんでは血便が見られます。胃がんでも、出血が起こりますが、この場合には、消化管を通過していく中で、血中のヘモグロビンに含まれる鉄分が酸化され、真っ黒な便(=タール便)が見られることがあります。
女性特有の疾患としては、子宮がんで血性のおりものや過多月経といった症状が見られることがあります。
さらには、出血が持続的に続くと貧血が出現し、貧血の症状としてのめまいやふらつき、動悸や息切れが出てくることがあります。
このように、がんの塊という性質、出血しやすいという性質を理解しておくと、がんの初期症状にもより気づきやすくなるのではないかと思います。
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